
アメリカにAFI(米国映画協会)があるように、イギリスにはBFI(英国映画協会)があり、BFIも10年に一度のベスト映画の選出があります。この選出に関してはBFIの方が歴史は古く、1952年に初めて選出されました。AFIとBFIでは選出方法にかなり違いがあり興味深いので、今日はこの違いと2002年に選出されたトップ20を紹介したいと思います。
作品を選考する人
AFI: 最新版(2007年)は映画制作に関係する人(監督、脚本、俳優、編集、撮影)、映画評論家、歴史家など、約1500人。(詳細は分からないが、多分アメリカに住んでいる人が殆どと思われる)
BFI: 最新版(2002年)は世界中の映画評論家145人。日本人は四方田犬彦(Yomota Inuhiko)、篠崎誠(Shinozaki Makoto)、佐藤忠男(Sato Tadao)の3人が参加。(BFIは1992年の投票から、評論家と映画監督が別々にベスト映画を選出してますが、BFIのトップ10というと、通常はこの映画評論家が選出したトップ10。ちなみに2002年に監督が選んだベスト映画に参加した監督は108人)
AFI: 最新版(2007年)は映画制作に関係する人(監督、脚本、俳優、編集、撮影)、映画評論家、歴史家など、約1500人。(詳細は分からないが、多分アメリカに住んでいる人が殆どと思われる)
BFI: 最新版(2002年)は世界中の映画評論家145人。日本人は四方田犬彦(Yomota Inuhiko)、篠崎誠(Shinozaki Makoto)、佐藤忠男(Sato Tadao)の3人が参加。(BFIは1992年の投票から、評論家と映画監督が別々にベスト映画を選出してますが、BFIのトップ10というと、通常はこの映画評論家が選出したトップ10。ちなみに2002年に監督が選んだベスト映画に参加した監督は108人)
対象となる作品
AFI: アメリカ映画のみ
BFI: 全世界の映画
AFI: アメリカ映画のみ
BFI: 全世界の映画
選出方法
AFI: 各人が既にノミネートされた400本から順位なしで100本選び、それを集計。同順位なし。(詳細は私の前回の記事を見て下さい)
BFI: 各人が順位なしで10本選び、それを集計。同順位あり。(BFIのサイトを見ると、各人のリストに順位が入っているが、集計結果の数字を見ると、これは関係無しと思われる。)
AFI: 各人が既にノミネートされた400本から順位なしで100本選び、それを集計。同順位なし。(詳細は私の前回の記事を見て下さい)
BFI: 各人が順位なしで10本選び、それを集計。同順位あり。(BFIのサイトを見ると、各人のリストに順位が入っているが、集計結果の数字を見ると、これは関係無しと思われる。)
かなり選出方法に違いがありますね。ではここでBFIのトップ20(2002年選出)を紹介しましょう。同じ順位があるのは間違いではありません。順位、日本題名、アメリカ公開時の題名、年、監督名です。
1 市民ケーン (Citizen Kane - 1941) オーソン・ウェルズ
2 めまい (Vertigo - 1958) アルフレッド・ヒッチコック
3 ゲームの規則 (The Rules of the Game - 1939) ジャン・ルノワール
4 ゴッドファーザー&ゴッドファーザーPART II (The Godfather and The Godfather Part II – 1972&1974) フランシス・フォード・コッポラ
5 東京物語 (Tokyo Story - 1953) 小津安二郎
6 2001年宇宙の旅 (2001: A Space Odyssey - 1968) スタンリー・キューブリック
7 戦艦ポチョムキン (Battleship Potemkin - 1925) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
7 サンライズ (Sunrise - 1927) F・W・ムルナウ
9 8 1/2 (8 1/2 - 1963) フェデリコ・フェリーニ
10 雨に唄えば (Singin' in the Rain - 1952) ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン
11 七人の侍 (Seven Samurai - 1954) 黒澤明
11 捜索者 (The Searcher - 1956) ジョン・フォード
13 羅生門 (Rashomon - 1950) 黒澤明
14 裁かるゝジャンヌ (The Passion of Joan of Arc - 1928) カール・テオドール・ドライエル
15 勝手にしやがれ (Breathless - 1960) ジャン・リュック・ゴダール
15 アトラント号 (L' Atalante - 1934) ジャン・ヴィゴ
15 キートンの大列車追跡 (The General - 1927) バスター・キートン&クライド・ブラックマン
15 黒い罠 (Touch of Evil - 1958) オーソン・ウェルズ
19 バルタザールどこへ行く (Au Hasard Balthazar - 1966) ロベール・ブレッソン
19 突然炎のごとく (Jules and Jim - 1962) フランソワ・トリュフォー
19 情事 (L'Avventura - 1960) ミケランジェロ・アントニオーニ
2 めまい (Vertigo - 1958) アルフレッド・ヒッチコック
3 ゲームの規則 (The Rules of the Game - 1939) ジャン・ルノワール
4 ゴッドファーザー&ゴッドファーザーPART II (The Godfather and The Godfather Part II – 1972&1974) フランシス・フォード・コッポラ
5 東京物語 (Tokyo Story - 1953) 小津安二郎
6 2001年宇宙の旅 (2001: A Space Odyssey - 1968) スタンリー・キューブリック
7 戦艦ポチョムキン (Battleship Potemkin - 1925) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
7 サンライズ (Sunrise - 1927) F・W・ムルナウ
9 8 1/2 (8 1/2 - 1963) フェデリコ・フェリーニ
10 雨に唄えば (Singin' in the Rain - 1952) ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン
11 七人の侍 (Seven Samurai - 1954) 黒澤明
11 捜索者 (The Searcher - 1956) ジョン・フォード
13 羅生門 (Rashomon - 1950) 黒澤明
14 裁かるゝジャンヌ (The Passion of Joan of Arc - 1928) カール・テオドール・ドライエル
15 勝手にしやがれ (Breathless - 1960) ジャン・リュック・ゴダール
15 アトラント号 (L' Atalante - 1934) ジャン・ヴィゴ
15 キートンの大列車追跡 (The General - 1927) バスター・キートン&クライド・ブラックマン
15 黒い罠 (Touch of Evil - 1958) オーソン・ウェルズ
19 バルタザールどこへ行く (Au Hasard Balthazar - 1966) ロベール・ブレッソン
19 突然炎のごとく (Jules and Jim - 1962) フランソワ・トリュフォー
19 情事 (L'Avventura - 1960) ミケランジェロ・アントニオーニ
19位が3本になったので合計21本です。このリストを見るとAFIに比べかなり娯楽性より芸術性重視の傾向が見られます。この中でAFIで選考対象となるアメリカ映画はハイライトした9本で8本は今回のAFIのトップ100に入ってます。入らなかったのは15位の「黒い罠」のみ。私はAFIトップ100の記事で「キートンの大列車追跡」がいきなり18位に入選でちょっとだけ驚き、なんて書いてしまいましたが、BFIでも高い評価を得てました!
日本映画も3本入っていて、なかなかの健闘ぶり。溝口健二の作品も20位以内には入りませんでしたが、24位に「残菊物語(The Story of the Late Chrysanthemums)」、27位に「雨月物語(Ugetsu)」、45位に「山椒大夫(Sansho the Bailiff)」が入ってます。
BFIの選出でも「市民ケーン」はダントツに強く、52年の選出の時こそ1位を逃しましたが、その後、62年、72年、82年、92年、そしてこの2002年とずっと1位をキープしています。参考までに52年の時の1位は「自転車泥棒(Bicycle Thieves - 1948)」でした。
どうして「市民ケーン」はそんなにいつも第1位に輝くのか?これはとても一言では説明できませんが、少し乱暴に言ってしまうと「今では当たり前になった、すべての映画技法のルーツがここにある」といったところでしょうか。「すべて」は大げさ?では「ほとんど」と修正しましょう。以下はよく聞く「市民ケーン」のジョークです。
映画科教授「○○くん、『市民ケーン』は観たかい?」
生徒「はい、教授。ようやく観ましたよ。でも、どこが良いのかサッパリ分かりませんでした。」
映画科教授「ほう、それはどうして?」
生徒「だってこの映画、他の映画で使われている技法の真似ばかりしているんですよ…。」
生徒「はい、教授。ようやく観ましたよ。でも、どこが良いのかサッパリ分かりませんでした。」
映画科教授「ほう、それはどうして?」
生徒「だってこの映画、他の映画で使われている技法の真似ばかりしているんですよ…。」
おあとがよろしいようで…(笑)。