
おすすめ度: ☆☆☆☆☆ (Excellent)
ハワード・ホークス監督、ケーリー・グラント、ジーン・アーサー、リタ・ヘイワース主演の「コンドル」。1975年にシドニー・ポラック監督、ロバート・レッドフォード主演の映画の日本語タイトルも「コンドル(Three Days of the Condor)」でしたが、日本語題名が同じだけで、まったく関係ありません。このハワード・ホークスの映画は確かにヒコーキ映画ですが、戦争映画ではなく定期郵便を運ぶ民間航空のお話しで、ケーリー・グラント版「華麗なるヒコーキ野郎」と言った感じのラブ・ロマンス映画です。ニューヨークのショウ・ガール、ポニー・リー(ジーン・アーサー)は南米の巡業を終えてパナマへの帰途、エクアドル国のバランカという小さな港に到着した。この港町には定期郵便の空港があり、ジェフ・カーター(ケーリー・グラント)とういアメリカ人が仕切っていた。飛行機はアンデスの連山を越え、しばしば濃霧や密雲の中で飛ぶ必要があり、非常に危険な航空路。そこに新しいパイロットのマクファースン(リチャード・バーセルメス)が登場するが、彼は人に知られたくない過去があった。しかも彼の妻のジュディ(リタ・ヘイワース)はジェフ・カーターの昔の恋人だった…。
ケーリー・グラントはいつもはコメディタッチの軽妙な役が多いのですが、この映画では過酷な状況で仕事をする一徹な性格の役です。パイロットが事故死しても、非情なまでに自分を追い込み、会社の存続を考え、替りのパイロットを探すことに集中しようとします。そんな彼を見て最初は驚くジーン・アーサーですが、そんな一途な彼の性格に徐々に魅力を感じるようになってきます。ケーリー・グラントもそんな彼女を気に入るのですが、頑固な彼は自分から一緒になろうと言うことが出来ないのです。
ハワード・ホークスは男の生き様を描くのがうまい監督と思いますが、この作品でもケーリー・グラント、リチャード・バーセルメス、そしてトーマス・ミッチェルなど、それぞれが過去のしがらみがあり、危険に面しながら、それを振り切ろうとする勇敢で誇りを持った男たちの生き様がよく描かれてます。でもそんな男の物語に加えてケーリー・グラントとジーン・アーサー恋の行方の方も実にうまく描かれていると思います。
昔の映画ですからもちろんCGなどなく、ミニチュアを使った特撮ですが、濃霧の中の飛行や、危険な状態での発着陸など、今見てもなかなか緊迫感がありスリル満点です。
この映画はリタ・ヘイワースを一躍有名にした作品としても有名で、彼女の初々しい魅力も満喫できます。ハワード・ホークスはこの役にぴったりの女優を探すために、彼女を含めいろいろの女優のスクリーンテストを行いましたが、「彼女はカメラが好む顔をしている」といって彼女の採用を決めたそうです。
そして最後にケーリー・グラントとジーン・アーサーの結末は?ラストでジーン・アーサーはケーリー・グラントにこう言います「私をゲットするのは難しいのよ。でも一言『一緒にいて』と言ってくれればいいのよ(I'm hard to get, Geoff, all you have to do is ask me.)」いつも最後のこの一言が言えなかったケーリー・グラントはどうやって彼女を説得したか?それは見てのお楽しみです。でもきっとこのラスト、気に入ると思いますよ。