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おすすめ度: ☆☆☆☆ (Very good)
今日は先回に引き続き、私のブログでは珍しく(?)アクション映画の紹介で、ラウ・カーリョン監督、ジャッキー・チェン主演の「酔拳2(The Legend of Drunken Master)」です。「今頃?」と言われそうですが、最近になってジャッキー・チェンはお気に入りの俳優になってきたので、彼の作品を取り上げてみました。

しかもこの映画は、TIME誌が2005年に選んだ歴代トップ100に選ばれた作品なのです!「市民ケーン(Citizen Kane)」、「カサブランカ(Casablanca)」、「ゴッドファーザー(The Godfather)」などと一緒に、そうそうたる作品の中の一本に選ばれたのです。トップ100のリンク先は以下のとおり。この映画は「Drunken Master II」で載っています。


私はこういった傑作リストに選ばれたから優れていると言うつもりは全くありません。こういった傑作リストを見ると誰もが「どうしてこの作品が選ばれて、あの作品が落選したのか?」と疑問を持つことでしょう。でも一つ間違いなく言える事は、選ばれた作品はそれなりの理由があって選ばれた、自分の嗜好に合う合わないはあっても、見れば何か得るものがある、見て損はしない作品ばかりと思います。

話しがどんどんそれてしまいますが、TIME誌が選ぶ音楽や映画の傑作リストは、少しユニークだなあといつも感じます。これを言葉で説明するのは難しいですが、もともとTIME誌は映画雑誌ではないので、純粋な映画評論家や映画ファンが選ぶ嗜好と少し違っている感じがします。でも、映画評論家やファンの的を全く外れた作品ばかり、と言う訳ではなくて、70%は妥当で30%がなかなかユニークだね、と思いたくなるような、そんな選出だと常に感じます。

このトップ100も私の想像ですが、最近のAFIのトップ100のように各人がベスト映画100本を投票してそれを集計したわけでなく、何人かの選考員の間で喧々囂々と話し合って、なるべく色々なジャンルから世界中の優れた作品を満遍なく紹介しようとした意図があるように思われます。それを裏付けるように、同じ監督の作品が2作品以上選出されている例が少ないのです。しかも選ばれ方もなかなか興味深く、例えばウィリアム・ワイラーは、「我等の生涯の最良の年(The Best Years of Our Lives)」や「ベンハー(Ben-Hur)」ではなく、「孔雀夫人(Dodsworth)」が選ばれ、ヴィットリオ・デ・シーカは「自転車泥棒 (The Bicycle Thief)」ではなく、「ウンベルト・D(Umberto D.)」が選ばれ、ジャン・ルノワールは「大いなる幻影(The Grand Illusion)」や「ゲームの規則(The Rules of the Game)」ではなく、「The Crime of Monsieur Lange」が選ばれ…、などなど。少しだけ視点を変えて、あまり他の傑作リストで選ばれない作品も多数選択されています。

この作品が選出されたのも、20年以上もカンフーアクション映画に自ら命懸けのスタントをこなし主演し続けて、世界中に香港カンフー映画ファンを作ったジャッキー・チェンの功績を称えての選出と思いますが、私なんかは、なかなか粋な選出と思いました。私が既に観たジャッキー・チェンの映画は限られているので、「これが彼のベスト」と言うつもりはありませんが、この作品は彼の主演20周年を記念して制作されたようで、しかも最後のファイトシーンには約4ヶ月もかけて撮影されたそうで、いろいろな意味で彼の集大成と言うことは出来るのではないかと思います。

「マトリックス・リローデッド(The Matrix Reloaded)」で、自らをクローン化した大勢のエージェント・スミスがネオと戦うシーンがありましたが、この映画ではCGも使わずにこれに似た大勢の敵と戦うシーンがあり、アクション映画はCGなど使わずにこうやって撮るものだと、お手本を示しているような映画といった感じ。それにラストのファイトシーンには火を使ったスタントもいろいろ出てきますが、これなんかも本当に脱帽!

映画の最初の方で「戦うことより(相手を)許す気持ちが大切(It’s more important to forgive than it is to fight.)」と父親(ティ・ロン)がジャッキー・チェンに教えるシーンがあったので、私はもう少しこの教えがうまく映画に描かれるのかなあ~と思いましたが、あまり関係なかったようです。でも彼の笑顔、驚くほどの生身のアクションシーン、そしていつもの最後の愉快なNGシーンで、この映画も十分楽しめました。私も彼の長年の功績を称えて☆ひとつ追加しときます。