マロニエ王国の七人の騎士(5)【ネタバレ注意】感想3巻 | Mictlan

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ミクトランは、アステカ神話において九層目にある最下層の冥府であり、北の果てにある。

「マロニエ王国の七人の騎士」

岩本ナオ 月刊フラワーズ連載中

 

自分用メモで公式見解ではない考察を含みます。

以下、感想というか気づいたことメモ。これを読んでもあらすじはわかりません。

最新巻までのネタバレ全開なので、ネタバレを好まない方は以下読まないようにお願いします。

 

【3巻】

・12ページ「僕が嫌な思いをしているのは君(=バリバラ)のせいだってみんな言ってる。だから僕が自由になるために君の力をどれか一つ取り返すんだ」

 →推測される状況:

 (1)ペレグリナスが神の地位を放棄し人の世に降りた空白を埋めるためにどこかから連れてこられたor生じた存在が、謎の男/訪問者。

 (2)ペレグリナスが持っていた「7つか、それ以上の力」(6巻)は現在バリバラの管理下にあり、そのうちのどれか一つ=7人の息子の誰か一人を、謎の男/訪問者が今置かれているポジションへ代わりに設置することで、謎の男/訪問者は解放される。

 

・15ページ「訪問者……?どこかで……」ジェリド構文。どこか、の該当箇所見あたらない気がする。

 

・22ページ「いちいち眠くないのことを自分のものみたいに言うからだ」もしかして2巻167ページのジェリド構文はこれのこと? 「待って、夜は僕の(ものだよ)」的な。

 

・28ページ「くっそ……こいつまだ何か隠してやがったか」

 →氷・炎・獣の力を使い恐らく夜の力も使うだろう、ということまで想定している状況で、「まだ何か」別の力があったということだろうか。まばゆい光を生じさせる力は、他の兄弟由来? でも残りは博愛と剣とハラペコしかいないよなあ。博愛の「ラヴ・フラッシュ!」(プリキュア風に)とかだとおもろくていいな。

 

・31ページ「君は時間切れだ。消えてなくなる前に帰った方がいい」 ウルトラマン的カラータイマーの存在はこの後もときどき出てくるが、詳細不明。

 

・40ページ 1巻170ページでエリーがちょっと頬を染めただけで動揺して周りに眠気を催させてしまった眠くないは、エリーにキスされて我を忘れ、街中の人々を深く眠らせてしまう。

 

・48ページ「大司教様だわ なぜ 今ここに?」

 →19ページでミカが「数人 部下を連れて 目立たぬように城壁の外へ」と指示していたが、謎の男/訪問者の退路を確保する目的だろうか?

 

・51ページ「その前に 僕は人間になってやる 僕は彼よりもっとうまくやる 寿命だって超えてないし ちゃんと代わりを見つけて第2第3の僕が現れないようにしてみせる」

 →ペレグリナスが人間になったあと、ほどなく急に衰えて死んだのは「寿命を超えていた」からと推測される。

 

・94ページ「王族の結婚式は王ではなく花嫁が値踏みされる 若さや美しさも大事だが 家の威厳を見せることの方が重要だぞ」

 →後の巻で、バリバラが武力の国の王妃だったらしいという情報が出てくるので、これは経験に基づくアドバイスなのかも。

 

・123ページ 剣自慢が準備している短剣が後々大活躍。
 

・141ページ「でもこの世界は……どの国にも誰にでも平等であるべきでは? 大きな力がたった一人の誰かのものであるべきではないのでは?」

 →宰相が、7兄弟をそれぞれの国へ派遣する「外交」を積極的に進めている理由はこれのよう。物語の最初の方では悪役っぽい描写をされていた宰相だが、物語が進むにつれ実は信心深いし人格者でもある、という評判が出てきたりして、「この世界は誰にでも平等であるべきでは」という気持ちは彼の本心なのかもしれない。え? だとしたら真面目で良い奴すぎん?

 

・166ページ「獣がいなくなったので やっと街に入れるぞ!」 そういえば2巻で「赤いあの国は「獣」が見張ってるから上手く入りこめないんだ」と言っていた。

 

・171ページ「火事でも起こったら一気に灰になりそうな町だな…… まあそうならないように、強い力が守ってるけど……」強い力=かまどの精? 寒がりや?(→本稿最終段落参照)

 

・181ページ「気が合うな」

 →その前に暑がりやに「気が合うな」と言われてちょっと嬉しかったことを思い出して、正直女の子のことはどうでもいいけど暑がりやの意見に賛成してみたヒンヤリ。「友達」と「同じ気持ち」を共有できた初めての経験。てぇてぇ。

 

・183ページ「やめたいんだけど代わりがいないんだよね」

 →暑がりやの目の前で「代わりがいないんだよね」と言うヒンヤリは、暑がりやこそが「代わり」となり得る存在=ペレグリナスの息子の一人なのだと、恐らくこの時点では気づいていない。

周りの人から「暑がりや」と名を呼ばれていたので、7兄弟の名前を知っていたら気づいていそうではあるが(「アツガリヤ」を人の名前と認識できるかという問題もある……)、思い返すとヒンヤリは眠くないのことも「夜」としか呼ばなかったから、兄弟の名前に対する関心はそもそも薄いのかも。

一方で、火事から街を守る「強い力」のことは感知しているが、暑がりやの力にはまったく気づいていない模様。171ページ「強い力」はやっぱり「かまどの精」を指していて、寒がりやではないかもしれない。