深く想像すればするほど怖い避難障害って? | 消防設備や防火対象物の点検ならテクニコ株式会社(大阪・東京)

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上のイラストは日本消防設備安全センターさんが提供されている避難障害を表す絵です。

避難障害とは、建物の外に続く避難経路や非常口が物品等で塞がれて、避難が円滑に出来ない状態の事。

平成13年の歌舞伎町雑居ビル火災を機に、避難経路がそのような状態にならないよう火災防止条例によって定められてから、現在ではオフィスビルやテナントビルでも遵守してくださっているケースがおおいですが、一部の古いテナントビルの他、意外にも規模の大きな商業施設などでも上記イラストほどではないにしろ、未だ避難障害があるのが現実です。

 

このレベルの状態はよく見かけます。

青ボックスが載った台車や黒カゴの他、様々な物品が非常口付近に長期間放置されたままとなってしまっています。

実際に経路を邪魔しているのは青いボックスと黒の買物カゴですが、地震などで右に立て掛けてある看板が倒れていたりすると、さらに非常口を通るのに手間取るでしょう。この程度ならいざという時にどかせば良い、と考える方もおられますが、避難者が大人数の場合はこういう部分が致命的な結果に繋がります。それにすぐ後ろに灼熱の炎が迫っている時に非常ドア前がこれだったら嫌でしょ?

 

完全にアウト。

このままでは逃げれませんです。

中央の小型ラックは移動できそうですが、それでも右手の大型の雑誌ラックはそうもいかないため、扉手前の経路が狭くなってしまい、かなり避難しにくい状態と言えます。

※雑誌コーナーとモザイク処理の相性がかなり悪く(良く)てだいぶ如何わしい画像になってしまった。

 

東郷アウトー。

ゴルゴの等身大パネルと小型の本棚の裏に非常口があります。

大型のポップやちょっとしたディスプレイが避難口を塞いでるケースも多いです。

避難時に火事の煙などが充満してくると、人間の判断能力は大幅に下がると言われています。
上記のような写真を見てただけでは「ああやってこうやってやれば問題なく逃げれるでしょ」と思われる方もいるかもしれませんが、現実に危機が迫り煙や停電で視界も悪い中では、非常口の前に物品があるだけで通れないと判断してしまい、引き返してしまったりする人もいるかもしれません。


実際火災時に逃げる時の事を深く想像し、どんな問題が起こりうるかを想定してみると、避難障害って一番怖くないですか?

(わかったんでどいて下さいます?)