『学校の失敗−誰が子どもを救うのか』 | 行く河の流れ

行く河の流れ

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 向山洋一氏の著書である。この著書の中で彼は現在の学級崩壊、学校崩壊などの教育現場の混乱を「教師の授業する力が低い」というポイントを挙げている。そもそも教師は大学の教育課程で「授業のやり方」は学んでいないのだ。
 その問題に向き合い氏は全国の優れた教育技術・方法を集め、それを修正し、教師の共有財産にする「教育技術法則化運動」(略称TOSS)の代表を務めている。
 第二次世界大戦で日本の教育界が失ったものが3つあるという。
 一つは「日本の中に何十年、何百年に渡って蓄積されてきた教育のやり方、つまり教育技術・方法」が挙げられている。つまりあまりに具体的で小さな教育技術や方法よりも高い教養が求められるとされた。
 二つ目は「日本人としての倫理観」である。戦争にまでいった「滅私奉公」への反省から「滅公奉私」へとなってしまったこと。
 三つ目に「近未来に対する主体的学習」を挙げている。「戦争」の反省のみを繰り返し学び、大切な「これから」のことを放棄してしまったと述べている。
 教師の人格が教師たる資格にはなるだろうが、実際の「教育技術」を学ぶことは何か小手先なモノに勘違いされがちである。しかし研究を重ね、修正され、伝えられてきた、又は伝えていくべき技術を学ぶことに追求するべきモノを観る。その行きつく先に「美しい授業」があるかもしれない。