段ボールの山が目前に迫る。これを全部片づけなきゃいけないのだ。逃れるようにして目線を逸らす。まだ街は動いていないのか?いや、動き出している。ひっそりと。まだ真夜中と言っても差し支えないほどの早い朝。なぜか動いている人の音は聞こえない。滑るようにして移動し、トラックに荷物を積みこんでいる。これも早朝の為せる業なのか。
だんだんとビルの合間から見える山の向こうに太陽の光が見え始めた。軍手をはめ、段ボールを台車に積んでいくと雪が降り始めた。ジーンズを素通りして冷気が脚に刺さってくる。周りのおじさん達は別に意に介することもない。夜の暗さに遠慮するように、ひっそりと段ボールを運んでいく。