ちくま新書。齋藤孝/梅田望夫 著
タイトルにひかれて手にした。以前にアマゾンでも目にしたことはあったが、購入はしなかった。今回は実際に書店で手にして、すぐに決めた。タイミングがぴったりだったのだろう。
『方丈記』と合わせて読んだこともよかっただろう。自分の生活様式の在り方を考えることができた。
自分の住まいの在り方の問題として、無理をして首都圏に家をもつことはない。ネットによって情報とつながっていればいいのだ。そう考えれば、むしろそこに拠点をもつことに疑問さえ感じてくる。
さらにこの本では「私塾」の可能性が書かれている。人は志を同じくする友と学び合いたいという欲求がある。そして、それを可能にするのがインターネット空間における物理的距離を越えた私塾である。
「確かになぁ」と納得できた。吉田松陰は野山獄の中で囚人を相手に孟子を説き、「獄中私塾」ができたのである。今ある環境を生かし、「ネット私塾」もこれからの新しい形の一つであると言える。
しかし、一つやはり乗り越えられない違和感は、人と人の物理的接触無しに、どれほど熱が伝わるのか?ということである。「ネット私塾」の弱点はまさしくそこであろう。
ネット上での学び合いは大いに歓迎するが、順番としては「面と向き合い議論する場」→「ネット私塾」となるだろう。そうなると、村の中だけの人間での学び合いから、一度実際に会って、志の方向を確認したのなら、生活の拠点である遠方に帰っていったとしても、ネットによる常時情報交換や意見交換ができる。
なかなかおもしろかった。