僕の部屋にはお気に入りの椅子がある。この春に実家に戻ってきた時に買ったもので、カリモク60の『Kチェア』である。
僕の部屋の窓際に置かれたその椅子はとても座りやすく、僕にとってそこは部屋の中でも特に憩いの場所だ。とても真剣に珈琲を愛する珈琲屋さんから珈琲を買ってきてドリップする。そしてお気に入りの椅子を窓の方に向ければ、そこにある景色は謙虚な木々が風にそよいでいる。本棚から気が向いた本を持ってきて、そこに座ってじっくりとした時間を過ごす。
以前は本を読むときやゆっくりリラックスするときにはベッドや床に寝転がることがほとんどだった。しかしそれだと、「気」も寝転がってしまい結局ダラダラとした時間を過ごしてしまうのである。日も暮れて、寝る気があるときには、まだいいかもしれないが、とても天気のよい日をそのようにして過ごすと部屋にいたことの後悔が残るのである。
しかし、椅子に座るという姿勢は人間の頭の位置が常に「立って」いる状態にある。部屋でのんびりと過ごしていても「気」は起きた状態なので、本を読むにしても、腰をかけて音楽を聴くにしても「自分で進んでやってる」感があるのだ。
「休みながらにして能動的に動く」。何か武術の奥義を発見したような爽快感だ。