C-C-B、最後の活動の年である1989年。
ツアーパンフレットに載っていたメンバーの言葉にこんなものがあった。
渡辺英樹
「でも、日本って、今までそういうスタンスで音楽が出来る環境…、なさ過ぎたと思う。
例えばU2なんかは、自分達のメッセージをしっかり持っていて、なおかつセールス的にも大成功をおさめているワケじゃない!?
どっちかというと日本って、セールス優先の時は、自分のメッセージや音楽性を多少なりとも殺しちゃってるんだよね。
本当に自分の思っている事を歌っていて自分の音楽性を出しているヤツがマイナーになっていく…、他愛もないラブソングを歌っているヤツがセールス的には成功する…、そんな図式がどこかに出来上がっているみたいな気がするワケ…。
それを今、なんとか解消したいと思ってる。」
米川英之
「デビュー当時は、髪の毛の件もあって“カラフル”というイメージが定着していたでしょ。アレって、最初は凄く有利に働いていたと思う。でも、今はどうかな(笑)。
ファンの人達は分かって見てくれてるんだけど、それ以外の人って、アレをそのまま引きずってるみたい。
それがあるゆえに、ハナから音自体には見向きもしない事が多いし…。
あまりにもイメージが出来すぎちゃって、一般の人には、今もそれだけが先行してる感じ。」
パンフに載っていた文なので、全て本人の言葉かは分からないですが、意思は充分に伝わりました。
英樹さんの言っていた図式は、残念な事に今現在の日本でも変わらず根付いてしまっています。
今日の日本。セールスや人気の捏造やなんやと、ネットが出現して暴かれもするが、逆手にとり、動画の再生回数、評価人数を捏造したり。
良くはなっていない。
むしろ、ひどくなっているかも知れない。
米川さんの言葉は切実だ。
ロックが大好きで、人一倍音楽にはこだわりを持つ米川さんだけれど、
プロとしてデビューは出来た反面、音楽がギターが大好きであるが故、悔しい思いも数知れずあったと思います。
見た目で判断して、音楽を聴いてくれない……。
そんな20代をえて、今年50歳になった彼は、様々なミュージシャンとセッションして格好良いギタリストになっています。
ただ音楽が好き。
その強い思いを大切にして、自分を磨き続ける。
好きな物と出会い、一生を掛けて、その夢に向かいひたすら走り続ける。
今の米川さんは若い頃よりも更に輝いて見えます。
自分もそんな何かを見つけ、走り抜けて行きたいと思うこの頃。