今日で3年。
あの大津波は昨日の事のように覚えている。
何も分からない夜。 夜が明け、いつもの景色は一変していた。
強い浜風。
海底から削りあげられた泥が町を覆う。
その泥も乾燥した空気で砂に変わり、風と共に宙に舞う。
ただ、ひたすら生臭い冷たい風が吹く。
普段は間近には見ない信号機や電柱の碍子が地面に散らばる。
基礎コンクリートだけ残る民家、道路に転がる民家の二階。
中身の無くなった鉄骨の建物。
道路の脇にポツンと残されたマネキンの首。
婦人服屋から流されたのだろうか。
数知れない、ボコボコにされ泥まみれの車。
怒り狂ったかのような海は、すっかり澄んでいた。
人間は忘れっぽい。
昨日何を食べたかすら忘れている人だっている。
震災だってどこか他人事のように考える人もいる。
確かに当事者にしか分からない事なのかも知れない。
いざ自分の身に降りかからないと人間と言うのは理解出来ない生き物かも知れない。
しかし、これは決して他人事ではない。
明日は我が身と念を入れることも少しは必要であると思う。
だからといって、ネガティブになる必要はないが……。
目の前に起きた現実を乗り越える力は誰しも生まれもっているものだと思います。
まずは、今日を精一杯生きる。
生きることに価値があると私は思い、どんな退屈な1日でも生を受けて良かったと
そう実感致します。
こうして生活できる環境に感謝しつつ
生を与えてくれ、人間であれる事。
それを支えて頂いた全ての方にありがとう。