前回紹介した
サービスデザイン思考 「モノづくりから、コトづくりへ」をこえて 井登友一 著
の中にデザイン経営と組織の関係が分かりやすく説明されていたので紹介させていただきます。
本書の中でGOV.UKの例があるので紹介します。
デザインを改善して統一したUXで便利になるとユーザーが積極的に使うことで要求水準がが上がります。
すると、これまでの縦割り組織に分かれている担当部署がそれぞれ提供するサービスではユーザーには不満足となることが表面化してしまう。
その結果、組織そのものを適切な形に再編する必要性が発生します。
デザイン経営から組織デザインへ
つまりユーザー体験、カスタマー体験を最適化してシームレスなサービスを提供したら、
それを提供している組織のほうの改善、最適化も求められるようになったという現象です。
デザイン経営というものは、ユーザー体験、カスタマー体験の統一感をスタート地点として
そこにとどまらず、組織の在り方や組織文化まで変えていくことになります。
それはまさに経営の仕事です。
経営側やマーケティング、製品側の要求により意匠デザインをするという観点ではなく
デザイン側がドライブして組織改革や再編をリードしていくとは、実にデザイン経営的な動きではないでしょうか。
デザイン経営と経営改革の難しさ
ただし、現実の企業ではこれを実践しようとすると社内外からの抵抗勢力の圧力を受ける可能性もあります。
明確に反対されなくても、無言の反対、たとえばやるべきことをサボタージュされることもあり得ます。
事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画というのも、このような抵抗を乗り越えるにはある程度のパワーが必要です。ボトムアップにみんなの意見を聞いているだけでは進まない可能性があります。
一般に世の中で経営改革がうまくいかないのも、やるべきことは分かっているが、それをすると痛みを伴うので
後回しになってしまうものです。特に組織や地位を失うと不利になるような場合は心理的安全性が保障されません。
このあたりまでくると、経営課題としては、改革をすすめる文化をどう構築するとか心理的安全性の確保された組織などの範疇になってくるかと思います。