こんにちは。
今日はISO研修講師日記です。
■ISO9001を学ぶのか、QMSを学ぶのか
今回の話は少し抽象的で、ピンとこない方もいるかもしれません。
ですが、ISO9001を学ぶのか、QMSを学ぶのか には大きな違いがあります。
その違いを考えるきっかけになればと思い、今回の記事を書きました。
■QMSの浸透度はどうか
今回は、毎年講師指名をいただいている大企業様での研修。
認証取得からもうすぐ30年という企業で、品質内部監査員増員のための研修でした。
そして、これまでの経緯から、QMSという概念が浸透していない ことも理解したうえでの実施です。
これは日本企業の現実の縮図とも言えます。
ISOの認証維持は30年。
業界人としてはありがたいお客様ですが、ISOの浸透は進んでいても、QMSの浸透度が低いのは気になるところです。
審査員日記でも触れましたが、QMSの全社教育を求めるサービス業の組織に出会った話を書きました。
その企業も認証取得20年以上。
認証取得組織側も、そして私たち業界側も、もっとQMSへの認識を深めていく必要があります。
ISO9001は世界で活用されるグローバルスタンダードですが、最終到達点ではなく、むしろ出発点 です。
認証取得は世界水準の仲間入りですが、そこからさらに深める世界があります。
■単なるISO9001研修では足りない理由
ISO9001を否定するわけではありません。
むしろ ISO9001を踏み台にして高みを目指す という意識が必要です。
しかし、
- そのような話を聞く機会が少ない
- 研修機関も深いセミナーを提供していない
という複合要因で、形ばかりの対応になってしまっているのが現状です。
今回は「内部監査とは」という章の冒頭で、テキストを使わずに10分以上の口頭説明を行いました。
最初は「何を言い出すのだろう」という表情もありましたが、徐々に何かを感じ取ってくれたような気配があり、抵抗なく伝えることができました。
理想はテキストに落とし込むことですが、標準テキストでは網羅できず、私自身も草案を提案できていないため、口頭説明にとどまっています。
今後の課題です。
■企業のQMS意識を読みながらの講義
悩ましいのは、企業がどの程度QMSへの問題意識を持っているかが掴めない中での説明です。
一般論なら簡単ですが、組織の経営方針と不整合を起こさないように配慮する必要があります。
教育実績や教育方針の情報がない中では、手探りで表情を読みながら進めるしかありません。
結果として今回は、
- 強い興味を示す反応はなし
- 抵抗感や拒否反応もなし
という状況。
つまり、「とりあえず聞いておいた」 という感触です。
一石を投じた、というところでしょう。
事務局の方からも、多少そのようなスタンスで社内対応していると聞いていたため、
間違ってはいないと判断して進めました。
■確信犯としての“逸脱”
今回は前回ほど進行を変えることはしませんでしたが、
テキストを使わず10分の口頭説明を入れるのは、短時間講義では褒められた対応ではないかもしれません。
ですが、通り一遍の講習では響かないだろうという独断のもと、今回のような対応をするのは初めてではありません。
むしろ常習犯と言ってもよいかもしれません。
■結果はどうだったか
アンケートは賛否どちらも期待した反応はありませんでした。
ただし、
- 否定的コメントはゼロ
- 「新たな気づきになった」というコメントが少し
という状況。
つまり、悪くはないが、まだ心に響くレベルには達していないということです。
研修後、事務局担当だけでなく部長も会場に来られ、現状や対処策、伸びしろについて意見交換しました。
課題認識は共有できましたが、打開策までは至りませんでした。
短時間の立ち話で、経営状況を深く聞けなかったのは残念でした。
とはいえ、ISO9001ではなくQMSへの問題意識を持っている ことはよくわかりました。
次にこの組織で講師を務める機会があれば、ISO9001だけでなく、QMSをより意識した講義をしたいし、しなければならないと強く感じました。
■本日のひとこと
🎯認証取得後は、ISO9001ではなくQMSとは何かをより深く考えよう!
今回の記事の原文はこちらからどうぞ
