飲み会で聞いた“誇らしげな指摘話”

こんにちは。

ISO審査員として活動を始めてから、少しずつ経験を積んでいます。
 

今回は、初めて「不適合指摘」をしたときのことを振り返ってみたいと思います。

 

昔、ある審査員の方が飲み会で「今回の審査では不適合指摘を●件してきたよ!」と誇らしげに話していた…なんてエピソードを聞いたことがあります。
それって、ちょっと違和感ありませんか?

 

どこまでが本当の話で、どこまでが脚色なのかは分かりませんが、今でも印象に残っています。

 

 

 

不適合指摘は“自慢”じゃない

 

その昔、ISO審査員の立場が強く、「先生」と呼ばれていた時代がありました。
そんな中で、天狗になってしまう人もいたようです。

でも本来、不適合指摘は「組織の成長を支えるための気づきのきっかけ」
審査員がそれを見つけて、伝えて、改善につなげてもらう。
それが審査の役割なんですよね。

 

指摘を見逃してしまえば、それはプロ失格。
でも、指摘したことを誇るのは違う。
 

それはまるで、野球のピッチャーが「ストライクを投げた!」と自慢するようなもの。
(三振を取ったか、ホームランを打たれたかは別として…)

 

 

 

 

“アウトはアウト”と伝える覚悟

 

不適合指摘は、したくてするものではありません。
でも、避けて通ることもできません。

基準に対して逸脱しているなら、きちんと伝える。
それが審査員の責任です。

 

そして、指摘が重大な問題の“予兆”であるうちに対処できれば、
審査する側・される側、両方にとって価値ある行為になります。

でも現実は、そう簡単ではありません。
 

指摘を嫌がる組織も多く、「何のために審査を受けているの?」と感じることも…。

今回の審査では、すんなり受け入れていただけて、無事に終了!
でも、今後は一筋縄ではいかない経験もきっとあるでしょう。

 

 

 

 

初めての指摘と、リーダーの懐の深さ

 

今回、私は初めて不適合指摘を行いました。
私が所属する審査機関では、審査員補の立場で指摘を出すのは珍しいようです。

 

でも、リーダー審査員の方が「どんどんやっていいよ」と言ってくださったおかげで、
安心して対応することができました。

審査員補にとっては、組織との関係だけでなく、リーダーとの関係構築も大切。
この経験は、距離感を掴むうえでとても貴重なものでした。

 

 

 

 

指摘できる力を、早いうちに確認したい

 

指摘をすれば良い、ではなく、
「指摘できる能力が備わっているか」を確認することが大事。

だからこそ、審査の世界に入った人には、できるだけ早くこの経験をしてほしいと思います。

とはいえ、指摘するということは、組織の“だめな状態”を見つけること。
本来、そんな状態は「ないこと」が前提です。

だからこそ、一度経験しておけば、
「指摘しなくて済む審査」を目指す気持ちが生まれます。

 

 

 

🌱『今回のひとこと』

 

審査員にとって不適合指摘は1度経験しておけば十分。
遭遇しないことを願おう!

 

 

 

💬皆さんは、仕事で“言いにくいこと”を伝えなければならなかった経験、ありますか? 是非コメントで教えてくださいね!

 

 

 

 

なお、原文はホームページに掲載しております。