新年あけましておめでとうございます。

本日より、始動いたします。

 

 

さて、2025年最初の話題は、スモールサイズのきぎょの認証取得のお話です。

 

今まで従業員10名前後が認証取得企業の規模として最も小さい部類、という認識でいたのですが、今回知り合った経営者の方のお話を伺ってびっくり仰天でした。

 

 

自分の中での記録の大幅更新、というとおかしな表現ですが、何と、役職員全スタッフを合わせて4名の会社でISO9001の認証を取得されておられたのです。

 

認証機関がJAB認定を受けているところではないので、JABの適合組織検索では出てきません。

 

そして今までの私の認識では、その規模の企業の場合では、認証取得及び維持にかかる費用負担が重たく感じて、なかなか認証取得踏み出せないだろうな、と思っていたのですが、これも浅はかな考えであることがその方のお話から完全に理解できました。

 

その経営者の方、及び会社では認証取得の価値を確実に感じておられました。

だからこそ、維持もされて続けています。

 

そしてかかるコスト的にも安いもんだ、というくらいに感じておられることが言葉の端々から感じられました。

 

 

 

なぜか?

 

 

ここが大事なポイントになるのですが、

取得のきっかけは取引先の二者監査とのことでした。

 

 

取引先から認証取得してもらわないとオタクに発注できないよ。

 

 

と世間でよくあるパターンではその会社がありませんでした。

 

自主的な判断で、認証取得に進んだ。

ただしそのベネフィットはしっかり計算の上での経営判断でした。

 

 

それが何かと言えば、

 

二者監査でかなりの工数を取られて負担に感じていた中で、

認証取得をすればその負担が軽減されることが明白になったから、というものでした。

 

 

取引先の品証担当の方も、認証取得していないから細かい部分まで二者監査として監査しなければならない。

一方で、ISO9001の認証取得をしていれば、社内規定からすれば、かなりの部分の監査を省略できる、ということが背景にある要因でした。

 

 

正直に申し上げると、その取引先の品証担当の方がことの本質を本当にチェックできているかどうかは不安な部分もあります。

しかしその取引先の規定する外注業者の管理規程では、ISO認証を取得していれば、二者監査のある部分は合格判断できる、という規定があるわけですから、担当者はそれに従って対応しなければなりません。

そこからの逸脱は、その品証担当者にとっては逆にできないことになります。

 

ISO9001の認証の価値が保証されていることが前提になっている内規ということになります。

 

 

認証取得前は、二者監査対応で、自社の社員も本業そっちのけで対応していた。

その対応に係る工数を考えれば、認証取得費用は安いものだ、というのが私に教えてくださった経営者の方のご判断でした。

 

 

認証取得後、その先のレベルにどのように進んでいくか、という課題はもちろんあります。

そして本来はそのためにISOの有効活用をして欲しいのですが、

とは言え、この企業のように、小規模事業者でありながら、認証の価値をしっかり感じて取り組んでくださる。

このような企業は私たちからすればとてもありがたいお客様になります。

 

そしてさらに有難いことに、その方は、とりあえず認証証というペーパーだけあれば良い、というスタンスではなく、きちんと審査にも向き合っておられることがお話を伺っている中で理解できました。

 

内部監査を行ったり、マネジメントレビューを行うのも、この人数ではそれなりの負担になるはずです。

ですが、その負担をきちんと受け止めてくださっているわけですね。

 

 

審査の価値を考える上で、私自身にとっても大変貴重な意見交換の場となりました。

 

そしてこの企業のような取り組みをしていること、そしてその価値がもっと広まるとISOももう少し中小企業の皆様にお役に立てるだろう、と思うに至りました。

 

 

いつかこの方の会社にお邪魔して、もっともっと教えていただきたいと思ったのでした。

 

そして引き続きこのような企業を発掘して皆様にもお伝えしていきたいと思っております。

 

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

(了)