以前、規格の4.1項に急遽追加の要求事項が生まれた、というご案内をしました。
正規の規格改訂のプロセスを経ずに、追補版として出たもので
「4.1項「組織及びその状況の理解」に「組織は,気候変動が関連する課題かどうかを決定しなければならない。」」
の要求事項が追加になっています。
先般、あるISO9001認証取得企業にお邪魔して、ちょっとびっくりなことをお聞きしました。
審査機関(認証機関)とのミスコミュニケーションで、どちらにより問題があるのかは、この情報だけでは断定できませんが、互いに良い状況とは言えません。
皆様方の組織ではこの情報を確実に得ているかどうか、改めて確認をされていくとよいと思って、ご案内いたします。
審査機関(認証機関)のあるべき姿としては、
自分たちのお客様向けに(つまり審査機関として、認証取得組織に向けて)
① 規格に追補版が発行されたことのアナウンス
② 追補版に関する審査機関(認証機関)としての審査スタンスの表明
③ 当該審査を開始する時期の表明
④ 自組織の審査員教育(あるいは審査員への指示)の状況の説明
⑤ 組織からそれらの内容について了解した旨の返答の受領
⑥ 審査員から審査計画すり合わせ時に追補版審査がある旨の通知
⑦ 審査当日、初回会議でサイドの確認
というところができれば十分なはずです。
ところが、その組織では、事前情報がまったくなく、審査当日に審査員から追補版も含めて審査をする旨の言明があり、組織側では慌てて状況確認と内部調整を審査中に行った、というものでした。
幸い、不適合指摘に至ることはなかったとのことですが、数か月前に、ある外資系審査機関から審査を受けた組織が、当該事項に関して不適合指摘を受けた、という驚きの情報を耳にしたことを思い出しました。
その外資系審査機関がどれほどの情報の周知徹底を図って審査を行ったかは全くわかりません。
そして今回のお客様の場合、審査機関からの連絡がなにかあったのか、本当に何もなかったのか、の真偽についても深く確認したわけではありませんので、あくまで担当者の方の認識、という受け止め方をしてください。
しかしながら、審査当日に審査員から事前に事務局からの連絡が届いていませんか、という質問がなかったようですから、想像の域は出ませんが、審査機関側の不親切、怠慢の可能性は否定できません。
御社における状況はいかがでしょうか。
あと数ヶ月はこの問題でお困りになる方も出るのかもしれないと少々心配になりました。
どうぞ適切な対応を図るようにお取り組みをお願いいたします。