本文の前にご案内です。

 

ISO審査員としての活躍を考える方向けの講座を作りました。

状況によってどの講座がよいか迷われるようであればお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回は審査機関の選び方、という部分について、まずは組織の状況についての話から統合マネジメントシステム、統合審査という話にいきなり展開させてしまいました。

 

いきなり難しい話になってしまったかもしれませんので(より実務レベルのものではあったとは思うのですが)、初心に帰り、審査機関の選び方、という点についての説明をさせていただきます。

 

 

 

 

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Q:わが社ではISOの認証を取得して10年が経ちました。

マンネリ感が出てきており、今のままでは効果的な運用ができないように感じ始めています。

そのために、経営者からは、審査機関を変えることによって、運用レベルの向上が見込めないか、審査機関は多数あるのだから、わが社の経営方針に合致する審査機関を探すように、という指示を受けました。

どのような審査機関があるのか、そしてそれぞれの会社はどのような審査を行っているのか教えてもらえると大変ありがたいのですが、可能でしょうか。

 

A:

もちろんです、お手伝いいたします。

 

ISOの認証を取得して10年が経過し、運用の効果が低下してきた場合、審査機関を変更することは一つの選択肢です。以下に代表的なISO認証審査機関とその審査内容について説明いたしますが、注意点として、2021年9月までの情報をもとにしており、最新の状況とは異なる場合もありますので、詳細な情報は各審査機関の公式ウェブサイトや連絡先をご確認ください。

 

●JQA(日本品質保証機構):

JQAは日本で最も広く知られているISO審査機関の一つです。主にISO 9001(品質マネジメントシステム)やISO 14001(環境マネジメントシステム)などの認証審査を行っています。審査は、組織のマネジメントシステムやプロセスの適切性、文書化、実施状況の確認などを含みます。

 

●JETRO(日本貿易振興機構):

JETROは国際的なビジネスの促進を目的とする機関であり、ISO 9001やISO 14001などの認証審査も行っています。また、JETROは海外進出企業を支援する機関でもあり、海外での認証審査にも対応しています。

 

●BSI(British Standards Institution):

BSIはイギリスに本部を置く国際的な規格機関で、世界各国でISO認証審査を実施しています。BSIはISO 9001やISO 14001だけでなく、ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)などの認証審査も得意としています。

 

●DNV(Det Norske Veritas):

DNVはノルウェーに本拠を置く国際的な認証機関で、さまざまなISO認証審査を実施しています。特にDNVはISO 9001やISO 14001の他に、ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)やISO 26000(社会的責任のためのガイドライン)などの認証審査にも力を入れています。

 

これらは一部の代表的なISO認証審査機関ですが、実際にはさらに多くの審査機関が存在します。審査機関の選定にあたっては、以下のような要素を考慮すると良いでしょう:

 

審査実績と評判:審査機関の実績や評判を調査し、信頼性や信用度を確認します。

評価基準と適合性:審査機関がどのような評価基準を持っているか、それがわが社の経営方針や業種に適合しているか確認します。

コストとサービス:審査費用や提供されるサービス内容を比較し、コストパフォーマンスを考慮します。

審査機関の選定は重要な決定ですので、十分な情報収集と比較検討を行うことをお勧めします。また、審査機関の変更に際しては、経営者や関係部署との十分な協議を行い、適切な戦略を立てることが重要です。

 

 

Q:ありがとうございます。各機関の審査実績や口コミ等の評判、審査方針などの具体的な情報はわかりませんか。そこが一番知りたい部分なのです。よろしくお願いいたします。

 

A:申し訳ありませんが、私は2021年9月までの情報を持っており、審査機関の最新の評判や審査方針の具体的な情報は提供できません。また、審査機関ごとの評判や口コミは常に変動するため、正確な情報を提供することは難しいです。

 

ただし、審査機関の公式ウェブサイトや関連する業界のフォーラム、レビューサイトなどを参考にすることで、各審査機関に関するより具体的な情報を収集することができます。そうした情報源から、審査機関の実績や評判、審査方針などについて調査してみることをおすすめします。

 

また、選考の際には審査機関との面談や相談を行い、自社の要件や期待に合致するかどうかを確認することも重要です。それによって、自社に最適な審査機関を見つけることができるでしょう。

 

追加の情報収集や具体的な比較検討について、私がお手伝いできることがあれば、どうぞお知らせください。

 

 

Q:わかりました。では日本で活動している審査機関の一覧を表形式で教えてもらえませんか。

 

A:

申し訳ありませんが、私のデータベースにはテーブル形式の情報を表示する機能はありません。しかしながら、以下に日本で活動している一部のISO認証審査機関の一覧を示します。なお、審査機関はさらに多数存在するため、以下のリストはあくまで代表的なものです。

 

審査機関名

業務内容

JQA

ISO 9001, ISO 14001などの認証審査を行う

JETRO

ISO 9001, ISO 14001などの認証審査を行う

BSI

ISO 9001, ISO 14001, ISO 27001などの認証審査を行う

DNV

ISO 9001, ISO 14001, ISO 50001などの認証審査を行う

JICQA

ISO 9001, ISO 14001などの認証審査を行う

TUV Rheinland

ISO 9001, ISO 14001, ISO 27001などの認証審査を行う

Intertek

ISO 9001, ISO 14001, ISO 45001などの認証審査を行う

SGS

ISO 9001, ISO 14001, ISO 27001などの認証審査を行う

Bureau Veritas

ISO 9001, ISO 14001, ISO 45001などの認証審査を行う

上記の表はあくまで一部の審査機関を示したものであり、他にも多くの審査機関が存在します。各審査機関のウェブサイトや公式情報を参照して、詳細な情報や審査範囲、サービス内容などを確認することをおすすめします。

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質問を追加してやり取りをしましたが、このあたりが限界と感じました。

本当に何もわからない、初めてISO関係のことを学ぶ方にとってはこのあたりの情報から入っていくと理解しやすいかもしれません。

 

しかし、JETROがISOの審査をしている機関として出てきてしまうとなると、AI先生の信頼性の問題にもなってしまいます。ここは早急に改善してほしいと願うばかりです。

 

 

余計な情報で皆さんを振り回すのも失礼な話なので、単刀直入に踏み込みます。

 

現在日本でISOの審査をしている機関を探そうとすると、

 

JAB及びISMS-AC認定を受けている認証機関と、それ以外の認定を受けている認証機関に大別されます。

 

 

別な言い方をすると、日系の認定機関から認定を受けている認証機関(審査機関)と外資系の認定機関から認証を受けている認証機関(審査機関)に分かれる、ということです(正確に言いますと、両方から受けている場合もありますが、いったんそれは脇に置きます)。

 

ISOの審査機関は、勝手に自分たちで審査をして、というのではその組織にとっての大事なメリットの一つが得られません。

 

何かというと、国際的な相互承認の枠組みの中で、日本でISOの認証を取得したことが海外各国で認められるか、ということです。

 

ISOの認証制度は、認証機関各社が勝手な審査をしないように国際的な審査機関の行動を縛る枠組みが出来上がっています。

その枠組みに則った審査活動をしているかどうかを認定機関というところが認証機関への審査に入ることで担保しているのです。

 

その枠組みをまずは理解した上で、すでに認証を取得されておられる組織の方であれば、自社の認証活動をしてくれている認証機関(審査機関)はどこの上部団体からお墨付きを得ているのか、ということを調べてみていただきたいのです。

 

名刺にISO認証のマークを入れられている組織の方であれば、認証機関のマークの隣にもう一つのマークがあるはずです。それが認定している上部団体のマークになるのです。

 

 

ではもう少し具体的に行きましょう。

 

日本で活動している認証機関(審査機関)を認定している組織として最も古くかつ最大な機関が

 

公益財団法人 日本適合性認定協会(通称:JAB)

 

です。

URLはこちらです。

公益財団法人 日本適合性認定協会 (jab.or.jp)

 

ここから認定を受けている認証機関の中から自社の審査をしてくれる先を選ぶ、ということが一つのスタイルです。

 

 

ただし、ISMS(情報セキュリティ)、ISO/IEC 27001の認証を受けたい場合は、JABだけでなく、ISMS-ACが認定機関としての活動を行うことによって、多くの組織がISMS-ACから認定を受ける、ということになりましたので、その点は注意してください。

 

 

それぞれの機関では、認定を行った認証機関(審査機関)の一覧をホームページで掲載しています。

そこをチェックすることをまず行いましょう。以下にJABとISMS-ACのそれぞれの一覧表示サイトを記しておきます。

 

認定されたマネジメントシステム認証機関 | 公益財団法人 日本適合性認定協会 (jab.or.jp)

 

ISMS認証機関一覧

 

もちろん重なっている認証機関(審査機関)もあります。

ISO 9001、ISO 14001はJABから認定を受けているものの、ISMS(ISO/IEC 27001)については、ISMS-ACから認定を受けている、ということです。

 

とは言え、この両者のどちらかから認定を受けている認証機関(審査機関)であれば国際的にも認められるしっかりしたところ、ということになります。

 

ではもう一つの外資系の認定機関についての話に進みましょう。

 

認定機関はISO加盟各国には基本的には各国1機関あると言われています。

ISOの加盟国は世界で、2023年6月現在168か国が加盟しています。

 

そうなると、膨大な数の認定機関がある、ということになりますので、その紹介はここでは控えます(私も知りません)。

 

ですので、日本国内で頻繁にその名前を聞く認定機関についてのご紹介にここでは留めさせていただきます。

 

 

UKAS:イギリス

JAS/ANZ:オーストラリア&ニュージーランド

ANAB:アメリカ

 

日本においてはこの3つの認定機関のどこかから認定を受けて活動をしている認証機関がいわゆる外資系認証機関と言われる中ではほとんどです。

以前はオランダの認定機関から認定を受けている機関も多くありましたが、最近あまり聞かなくなりました。

 

そしてそれらの海外各国からの認定を受けているのは何も外資系の認証機関(審査機関)だけでなく、日系の認証機関(審査機関)でも数多くあります。

 

このあたりはややこしいところかと思いますが、一つの認証機関(審査機関)が複数の認定機関から認定を受けている、ということがお客様の要望等を踏まえた経営戦略として背景にあることがその理由です。

 

海外の認定機関から認定を受けて、日本で活動している認証機関(審査機関)の一覧というものはお目にかかったことがありません。

 

少々それでは悔しいので、UKASのサイトで見つけました。

Search UKAS accredited organisations

 

ただし残念ながらこれでは得たい情報にたどり着きません。

あくまで日本の組織で日本からUKASに認定を申請し、審査でパスした機関、という位置づけですね。

 

イギリスの認証機関でUKAS認定を取得し、その会社の日本法人が日本で審査活動をしている、という部分が抜け落ちていますので、残念ながら、やはり期待する回答にはつながりません。

 

ダメもとでAI先生にも聞いてみましたが、全く歯が立たず、期待する応えに全く届きませんでした(掲載する価値すらなしという回答内容でした)。

 

 

よって、これ以上の踏み込んだ部分については、お困りの方は個別対応させていただきたいと思いますので、ご連絡ください。

 

 

とりあえず、ISOの認証機関(審査機関)についての基礎情報をお伝えするのはここまでとして、次回はもう少し踏み込んだ認証機関(審査機関)の選び方、そして変更の仕方についての説明に進めていきたいと思います。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

(了)