ISO内部監査員の養成をどのように行うのがよいか。準備段階における考え方(流れ/プロセス)について、12項目に分けてお伝えしています。
12項目については下記の通りです。
1.自社の内部監査に関連する規程の理解(復習)
2.直近数年間のマネジメントレビューにおけるトップの指示等の状況把握
3.自社の内部監査の過去の実施状況の把握
4.自社の内部監査員の状況(所属部門、年齢、業務経験、監査経験)理解
5.外部審査(第三者ISO審査)における指摘等の内容把握
6.過去の内部監査員教育実施記録の確認
7.過去の内部監査員教育に使われたカリキュラムの確認
8.過去の内部監査員教育に使われた教材の確認
9.過去の内部監査員教育における受講者評価記録の確認
10.継続教育の有無の確認及びその内容の確認
11.経営者の内部監査への受け止め方の把握
12.経営者がこの先、内部監査に期待することの理解
今日は、10. 継続教育の有無の確認及びその内容の確認に進みましょう。
10.継続教育の有無の確認及びその内容の確認
前回もお伝えしましたが、ISOマネジメントシステムに共通する大事な概念の一つがPDCAサイクルです。
多くの会社、そして担当の方は、頑張って企画立案を行い、教育計画を立ててそれに基づき社員研修・教育を実施されています。
しかし陥りがちなリスクとして常に私たちは念頭に置いておきたいことがあります。
何かと言えば、「やりっぱなしになってしまう」ということです。
これは私自身もとても人様に語れるような誇らしい状態ではありません。
色々考えて、着手したのはいいのだが、結局うまくいかなくなると、だんだんモチベーションが続かなくなって、いつの間にかそこから遠ざかり、そしていつの間にか触れなくなり、忘れて行ってしまう。
そしてしばらく経つと、やはり問題は解決していないので、何らかのよろしくない状態に直面し、さあどうしようと思案することになる。
そして再度考え直して、その対処策はこれだ、と言ってまた前回とは別のことを始める。
いかがでしょうか。
仕事だけでなく、プライベートにおいても、色々あれもやりたい、これもやりたい、と思って目標設定するのもの、結局中途半端というか、途中であきらめてしまって放り出してしまう、ということを私自身、何度もしてきてしまっています。
PDCAサイクルを回し続けることの難しさを感じたことがあるのは私だけではないのではないでしょうか。
PD→PDの繰り返しになってしまうのですね。
実は日本人のメンタリティとして、C(Check)が弱くて、PD→PDの繰り返しをしてしまう、というケースというか人は多いようなのです。
もしあなたにも当てはまるか?と思われたら、ご注意くださいね。
意識してここはC(Check)を入れ込まないといけない、という部分だからです。
さて、のっけから脱線気味ですので、本来の道に戻りたいと思います。
内部監査員教育に関する継続についてです。
ここでのポイントは、第一は、実施した研修の評価をどのように行ったのか、という部分です。
前回は、受講者の参画度合、理解度合等についての評価記録の確認、というご説明をしました。
今回のポイントは、それらを含めた、研修全体の評価を、研修主催者としてどのように行っていたのか、という部分です。
時々起きてしまう事象として、個別の受講者に関する管理はできているにもかかわらず、研修全体としての良かったのか、何か改善すべき点があるのかどうかの総評を漏らしてしまう、ということがあります。
全員が受講し、修了要件を満たしていればよし、として研修の総括終わり、というのでは少々寂しいわけです。
もちろん、適合、不適合、という二者択一の世界で考えれば、全員修了できればそれで所定の成果あり、という判断は決して間違いではありません。
ですが、それではあまりに残念です。
よかったのであれば何が良かったのか、そしてあとに伝授する成功のポイント、要因は何であったのか。
そこまで分析、解析をしたうえで、報告書を仕上げて欲しいのです。
報告書作成、ということに絞って考えるために、AI先生にご登場いただきたいと思いました。
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Q:社内で実施するISOの内部監査員教育が無事終了しました。
最終報告書を書く上でのポイントを教えてください。
A:ISOの内部監査員教育の最終報告書を作成する際に考慮すべきポイントを以下に示します:
1.目的と範囲の明確化:
報告書の冒頭で、教育の目的と範囲を明確に説明します。何を対象に教育が行われたのか、どのような目標を達成するために実施されたのかを明確に記述します。
2.教育の概要と実施内容の記載:
教育の概要や実施内容を詳細に報告書に記載します。教育の日程、講義内容、演習や実践活動の概要、使用した教材やツールなどを具体的に説明します。
3.受講者の評価とフィードバックのまとめ:
受講者の評価やフィードバックを報告書にまとめます。受講者のアンケート結果やフィードバックコメントを集計し、教育の満足度や有用性について報告します。
4.学習成果と実践への適用の評価:
受講者の学習成果と実践への適用について評価します。実務演習や評価テストの結果、実践活動での成果や改善への貢献などを報告します。
5.教育の効果と改善提案:
教育の効果や改善点について報告します。内部監査能力の向上、組織のコンプライアンス向上など、教育がもたらした成果や改善の提案を記載します。
6.参考資料の追加:
報告書には参考となる資料を追加します。教育プログラムのカリキュラムや教材、受講者への配布資料などを添付することで、報告書の補完と参照のための情報を提供します。
以上のポイントを考慮しながら、内部監査員教育の最終報告書を作成してください。報告書は明確かつ簡潔に内容を伝えることに重点を置き、関係者が教育の結果や成果を理解しやす
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ほぼ毎回と言ってもよいくらいのことですが、回答が途中で止まります。
そのまま回答を続けますか、というコマンドが最近出るようになったので、意図的に止めているのかもしれません。
いずれにせよ、この回答では、帯に短したすきに長し、の状態ですので、再度質問を入れました。
そうしたら、何と驚くような回答が返ってきました。
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Q:ありがとうございます。途中で止まっていますが、文意はわかります。
ただし、ISOの内部監査員養成のための社内研修ということを考えると、上記は一般の研修を意識した回答のように感じるのですが、もう一段踏み込んだ検討、回答をお願いできませんか。
次回のためにもPDCAサイクルを回すことに資する報告書作成をしたいと考えています。
A:申し訳ありませんが、ISOの内部監査員養成のための社内研修における具体的な報告書作成の手法やPDCAサイクルに沿ったアプローチについて、より具体的な指針を提供することはできません。報告書の作成方法やPDCAサイクルの適用方法は、企業や組織の特定の要件や目標に基づいて設計されるべきです。
しかし、PDCAサイクルを考慮した報告書作成の一般的なアプローチを共有いたします。
1.Plan(計画):
報告書の目的と範囲を明確に定義します。具体的な報告書の作成計画を立て、報告書の構成や内容を決定します。
2.Do(実施):
実施された内部監査員養成研修の詳細な内容や成果を報告書に記載します。研修の日程、講義内容、演習や実践活動の詳細を報告します。
3.Check(評価):
研修の効果や成果を評価し、報告書に反映させます。受講者のフィードバック、評価テストの結果、実践活動の成果などを評価し、研修の効果を確認します。
4.Act(改善):
研修の改善点や次回への提案を報告書にまとめます。受講者の意見や改善のための提案、研修プログラムの改善点などを報告し、次回の研修計画に活かします。
PDCAサイクルに基づいて報告書を作成する際は、達成した目標や成果、課題や改善点を明確に記述し、次回の研修やプログラム改善に生かすための具体的なアクションを提案することが重要です。
ただし、具体的な報告書の作成方法やPDCAサイクルの適用方法は、組織や研修の内容によって異なる場合がありますので、組織内の方針や要件に基づいて柔軟にアレンジしてください。
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あらら、という感じです。
質問の仕方が悪いのでしょうか。
ChatGPTは回答をギブアップという感じです。
やむを得ませんので、私であれば、という回答を以下に記しますね。
報告書の第一のポイントは、意図した成果(狙った結果)が出たかどうかです。
社内での活動はどのようなことであれば、リソースを使っています。時間であり、人的な資源のことですね。
その使ったリソースに見合うだけの結果、成果が出たのかどうかです。
その成果をはかる、ということも場合によっては定量評価が困難なケースもあります。
その場合は、定性評価でもよいのです。
ようは報告書を受け取った人(上司、ISO管理責任者、経営者など)が、それで結果として
「あなたは(報告書作成者のことです)この結果に自分自身として満足しているの?」
ということを、報告書を読む前に、問いかけたいわけです。
つまり内容ではなく、担当の方の自己評価をまず知りたい、ということなのです。
この自己評価が良いのであれば、褒めてあげたいし、その人にはもっと上のレベルの仕事をしてもらいたい、という昇進昇格の材料にもなるようなことをここからつかみとるわけです。
一方で、自己評価が低いのであれば、どうしてそうなったのか、次回はその自己評価を挙げるために、どのような点に注意するのか、改善を加えるのか、
そういったことをしっかり自分の頭で考えてきたかどうかをまずは確認したいのです。
そのことが、全く分からない報告書では、一瞥の段階で再提出、という言葉が出てくるかもしれません。
是非、上司、上席の人の気にすることを踏まえたうえで、報告書を書く、ということは意識しておいてください。
さて、また脱線なので、話を元の道に戻しますが、初期段階での関門通過の場合は、そこで教育した人々をさらにスキルアップさせるための仕組み、ということにつながります。
そうすると次は、社内の教育の仕組みの問題になります。
新規で養成した内部監査員の力量強化のためのPDCAサイクルをどのように回していく仕組みが存在するか、
ということになります。
教育訓練規定、というような名称が社内に恐らくあると思いますので、そちらはチェックしておいてください。
そこに明記があれば、その仕組み、手順に従って、内部監査の経験を積んだ後のフォローアップ教育なのか、経験を積むかどうかにかかわらず、忘れてしまうことを防ぐためのブラッシュアップ教育なのか、何かしらの継続教育がおそらく存在するはずです。
そしてその継続教育の内容までチェックすることができれば、一連の内部監査員の養成研修を考える上では、ほぼすべての情報を手にすることができた、というところまでたどり着きました。
その継続教育の確認のポイントは、多くのものが新任内部監査員候補者の研修の際と重なりますので、これ以上は記しません。
今までお伝えしてきたものを再度振り返っていただければ有難く存じます。
さて、最後の仕上げとして、12項目挙げた考え方の残り2項目、また次回に続けたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
(了)