ISO内部監査員の養成をどのように行うのがよいか。準備段階における考え方(流れ/プロセス)について、12項目に分けてお伝えしています。

 

12項目については下記の通りです。

 

1.自社の内部監査に関連する規程の理解(復習)

2.直近数年間のマネジメントレビューにおけるトップの指示等の状況把握

3.自社の内部監査の過去の実施状況の把握

4.自社の内部監査員の状況(所属部門、年齢、業務経験、監査経験)理解

5.外部審査(第三者ISO審査)における指摘等の内容把握

6.過去の内部監査員教育実施記録の確認

7.過去の内部監査員教育に使われたカリキュラムの確認

8.過去の内部監査員教育に使われた教材の確認

9.過去の内部監査員教育における受講者評価記録の確認

10. 継続教育の有無の確認及びその内容の確認

11. 経営者の内部監査への受け止め方の把握

12. 経営者がこの先、内部監査に期待することの理解

 

 

今日は、9.過去の内部監査員教育における受講者評価記録の確認 についてです。

 

ではさっそく始めましょう。

 

 

9.過去の内部監査員教育における受講者評価記録の確認

 

ISOマネジメントシステムに共通する大事な概念の一つがPDCAサイクルです。

人はどうしても何かのことを一生懸命やったとしても、やりっぱなしになってしまうという危険性を常にはらんでいる生き物です。

 

やりっぱなしにしないためには、常に意識して振り返る、ということが重要です。

つまりPDCAサイクルの中での “C” つまり “Check” の部分ということです。

 

 

さあでは今日もAI先生にお願いしましょう。

 

 

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Q:ISO内部監査員教育の記録を確認、評価する上での大事なポイントとしてどのような項目があるかを教えてください。

 

A:ISO内部監査員教育の記録を確認し、評価する際の重要なポイントは以下のようになります:

 

1.カリキュラムの適合性:

 

ISO規格や内部監査の要件に基づいて、カリキュラムが適切に設計されているかどうかを確認します。

監査のフェーズやプロセス、技術的なスキル、コミュニケーション能力など、必要な領域が適切にカバーされているかを評価します。

 

2.教材の質:

 

使用された教材の内容や質を確認します。教材が明確で網羅的な知識を提供しているか、実践的な演習や事例に基づいた学習が含まれているかをチェックします。

教材が最新の情報に基づいているか、分かりやすく構成されているか、学習者が理解しやすい形式で提供されているかなどを評価します。

 

3.講師の資格と経験:

 

講師の資格や認定、専門知識、実務経験を確認します。講師が適切な資格や経験を持ち、内部監査の実践的な知識やスキルを適切に伝えることができるかを評価します。

 

4.学習方法と評価手法:

 

学習方法や教育プログラムのバラエティを確認します。講義、グループディスカッション、演習、ケーススタディ、模擬監査など、異なる方法が組み合わせられているかを評価します。

学習の進捗や成果を評価する手法や評価基準が明確に定義されているかをチェックします。

 

5.受講者のフィードバックと成果:

 

過去の受講者のフィードバックや評価結果を確認します。受講者が学習目標を達成し、実践的なスキルを獲得しているかどうかを評価します。

成果を示す評価テストや実際の監査実施の結果を参考にすることも重要です。

 

 

これらのポイントを考慮しながら、ISO内部監査員教育の記録を確認し、教育の質や効果を評価することが重要です。

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この回答、1度再作成指示を出した後のものなのですが、1回目よりは良いと思えるないようになりましたが、残念ながら回答の視点が期待するものと合致していない、と判断しました。

 

質問の仕方が悪いのか、あるいはAI先生の限界なのか。

 

故に、追加の条件設定(質問)ということで、下記の質問を入れ込んだところ、ずいぶんと改善された答えが一発で返ってきました。

 

以下に記しますね。

 

 

 

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Q:ありがとうございます。ただし上記の内容は、設計段階での評価(デザインレビュー)の際のポイントと思えることが含まれているのではないでしょうか。

あくまで実施前段階での評価ではなく、実施後の評価の際のポイントに絞って教えてもらいたいです。

 

A:申し訳ありません、誤解が生じました。実施後の評価に焦点を当てたポイントを以下に示します:

 

1.受講者のフィードバック:

 

受講者のフィードバックを収集し、教育プログラムの満足度や有用性を評価します。受講者からの意見や感想、改善点などを確認し、教育の質を把握します。

 

2.学習の実践への適用:

 

受講者が教育で学んだ知識やスキルを実践でどれだけ活用できているかを評価します。実際の内部監査活動や関連する業務での実践成果や改善への貢献を確認します。

 

3.成果の評価:

 

受講者の成果を評価するための評価テストや実務課題の結果を確認します。実務演習やテストの成績や評価基準に基づいて、受講者の習得度や能力を評価します。

 

4.内部監査活動の品質:

 

受講者が内部監査活動を実施した際の報告書や審査結果をチェックします。内部監査の遂行能力や報告の品質、監査結果に基づく改善活動の推進などを評価します。

 

5.継続的な能力開発:

 

教育プログラムの結果をもとに、受講者の継続的な能力開発を支援します。個々の受講者の成長や強化すべき領域を特定し、必要に応じて追加のトレーニングやフォローアップを検討します。

 

 

これらのポイントを参考にしながら、実施後の内部監査員教育の評価を行ってください。

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いかがですか。格段にレベルの上がった回答が返ってきました。正直少々ビックリです。

 

そうなんです。マネジメントシステム運用の基本でもあるのですが、記録の確認の際のなによりも大事なポイントは、何をしようとしたのか、ということの明確化とその結果についての明示が記録上から読み取れるか、ということなのですね。

 

故に、内部監査員教育では、どのような狙いを持って、どのような成果を挙げようと考えたのか、とにかくそこを押さえることです。

 

それが明確になっていなければ、評価しようがないのです。

 

自由作文を主観的に評価するのではないのです。

基本的には、1+1= ? という問題の答え合わせをする感覚がまず求められます。

 

しかし実際の業務は算数とは違うので、唯一の答えのみが正解、ということはまずありません。

 

 

そうなると、ゴルフをイメージしてもらうと良いかもしれません。

 

ゴルフをしたこともない方もいらっしゃるでしょうから簡単に説明すると、

ゴルフというスポーツは遠い先にボールを入れ込む穴(ホール)が空いていて、その穴にボールを落とし込むまでに何回打つか、その数ができるだけ少なくできればよい、というスポーツです。

 

そのゴルフにおいて、打ったショットがどれだけそのホールの近くに行ったかでそのショットの良し悪しを評価する、ということと、内部監査員教育の記録内容の評価をする、というのは近いものだ、と思ってもらえれば結構です。

 

 

打ったショットがホールに吸い込まれれば最高ですが、遠くから打ったボールがそこに入ることはプロでもそうそうありません。

どれだけ近くに行ったか、内部監査であれば、理想の期待する結果(成果)をイメージとして描いたうえで、そのレベルにどれだけ近づいたか(達成できているか)ということで見て行って欲しいのです。

 

例えば、研修の最後に理解度テストを設けている際に、そのことだけで考えれば、受講した人が全員合格点をとる、ということになれば理想の姿だ、としましょう。

 

その時に合格率が95%なのか50%なのか、によって考えるべきこと、探るべきことがずいぶんと違ってきます。

 

そもそも実施前の設計段階で、合格率100%を目指す試験問題の設定レベルとするのか、50%の合格率を目指す試験問題とするのか、ということによって当然評価の視点はかわります。

 

つまり事前の内部監査員教育の狙いをしっかりと把握して、その狙いと実際の結果の際を分析する、ということがここでの評価、ということになります。

 

 

その内容については、これでなければならない、ということはありません。

それぞれの会社の考え方が反映される部分ですので、自社の課題を踏まえて、どのような内部監査員教育をしようとしたのか、という視点をしっかり把握の上で、その狙いに対する結果がどのようなレベルで出たのか、ということが記録確認の要諦、ということになるわけです。

 

いかがでしょうか。

ちょっと今日の解説は堅苦しいものになってしまっているかもしれません。

 

もしわかりにくいぞ、という方がいらっしゃれば、御社の状況を踏まえたうえでのご質問をいただければ、できる限りの回答をさせていただきたいと思っています。

 

今日は少し短めですかこのあたりで。

 

また次回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

(了)