こんにちは。
ISO研修講師日記です。
今回は、ある大企業でのISO内部監査員養成研修について綴ります。
定例の2日間コースではなく、お客様のご要望に応じた「1日コース」を複数回に分けて実施するという形式でした。
長年お付き合いのある企業様ですが、私自身が講師として登壇するのは今回が初めて。
教材も、他社向けの汎用的なものではなく、同社の特質を踏まえた“アレンジ教材”での対応です。
1日研修の限界と可能性
さて、通常は2日間かけて行う内部監査員養成研修。
果たして1日で実施可能なのか——。
結論から言えば、物理的には可能です。
ですが、実態としてはまったくおすすめできません。
ISOの基本理解を深めたい方や、内部監査の知見を得たいという目的であれば、1日研修でも十分です。
しかし、即戦力となる内部監査員を育成したい場合は、少人数での密着指導でもない限り、1日ではトレーニング量が足りません。
「セミナー会社としての力量不足ですね」と言われてしまうかもしれませんが、
頭で理解することと、実際にできるようになることは別物。
センスの良い方々ばかりでない限り、現場での育成には時間が必要です。
優秀な受講者でも演習は難しい
今回、私はこの1日コースのうち3回分を担当しました。
受講者の皆さんはさすが大企業、知識面では非常に優秀で、理解も早い印象でした。
しかし、演習となると話は別。
ピントが合わず、課題の消化に苦労される場面も多く見られました。
教材は同社向けにアレンジしているため、他業界の事例ではなく、同社の業務に近い内容です。
それでも、実際の業務とは少し違う印象を受けることもあり、ピントが合いにくい、応用が効きにくいという課題もあります。
研修の本質と発注者へのお願い
ISO研修の本質は、業種業態を問わず共通です。
しかし、1日研修ではどうしても駆け足になり、受講者に十分に伝えきれたという手応えを得るのは難しいのが現実です。
研修を検討・発注されるご担当者様には、ぜひこの点をご認識いただきたいと思います。
- 自社のニーズを明確にする
- 受講者に持ってもらいたい目的意識を整理する
- その上で、研修会社に遠慮なく注文をつけていただく
そして、研修の現場をもっと見ていただき、受講者の状況にも関心を持っていただきたいのです。
当たり前と思われるかもしれませんが、実はこの部分には企業によって大きな温度差があります。
🌱本日のひとこと
アレンジ型研修では特に現場での効果確認を重視しよう!
貴重な時間と費用をかけて実施する研修だからこそ、
発注側・受講側・研修会社の三者が協力して、価値ある学びの場をつくっていきたいですね。
読んでくださってありがとうございました。