6月の動乱 其の3 | Dream Box

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このブログの内容は5割の誤解と4割の勘違い、2割の嘘で成り立っています

時系列的にバラバラになってしまいますが、今回は日本神話の部分をざっくり説明してしまいたいと思います

$テクノのブログ

古事記と日本書紀では神話の冒頭部分である天地開闢の詳細が相当違っています

上の表は古事記のもので、日本書紀では2段目の国之常立からしか語られていません

だからと言って別天津神を無視しているかと言うとそうでもなく、後段で登場もしています

実際のところ記紀以外の史書では他の創造神も記されていたりするのですが、現在では偽書とされていたり公式な研究がなされていない物も多く(面倒なので)割愛します

表の中では系譜的に表記されていますが、これらの神が特に親子関係として語られているわけでもありません


世界がまだ混沌として天と地が分かれていない状態の時、天之御中主が現れます

辺りを見回しても世界が未分化だったことから姿を隠したそうです

               …え?

この神様、創造神として扱われながら世界を造るどころか特に何もせずに消えて行ってしまうのです

それだけではありません

この表に並んでいる神様の殆ど、伊邪那岐・伊邪那美の兄妹神まで全てこの調子と言っていいのです

何のために登場したのか、と言うよりなぜ神として作ったのか理解に苦しむくらい何もしません

神話とは民族の記憶や宗教観と言ったものが反映されるものです

一方で記紀が8世紀に編纂された(古事記712年、日本書紀720年)物である以上、その時点で数百年前の記憶や歴史をどれだけ正確に伝えられてきたか微妙でもあるでしょう

7~8世紀の人間にとって400年前の記憶や経験は現代の我々がその時代について想いを馳せるのと大して変わらない時間の隔たりがあったのかもしれません

つまりは8世紀の時点で古い神様の名前は伝わっていても、どういう謂れがあったのか既に分からなくなっていた可能性もあるでしょう

話を進めます

伊邪那岐・伊邪那美の兄妹は天津神達に命じられ国を産むべく、天浮橋(あめのうきはし)に立ち天沼矛(あめのぬぼこ)で混沌とした世界を掻き交ぜます

矛の先から滴り落ちた潮が積もって淤能碁呂島(おのごろじま)が形成され、二神はそこに降り立ち柱を立てて神殿とし交わって(///)国作りをします

しかし最初に生まれたのは骨の無い不具の子の水蛭子(ひるこ)だったので葦の船に乗せて流してしまいました

次に生まれたのはアハシマ(泡の島?)で、まともな子供が生まれないのいぶかしんで神々に教えを請い、ちゃんとした作り方を聞いて今度からはまともな子供が生まれるようになりました

この兄妹が世界を飲み込んだ洪水の後に生き残り、人類の再生の始祖となるタイプの神話はアジアの沿岸地帯の民族に多く見られるモチーフで、最初に生まれる子供が不具であることも一致しています

日本民族を構成した幾つかの人々が遠く南方からやってきた時の記憶なのでしょうか

二神から日本の島々が次々に生まれていきますが(島であり人の形をした神でもあるという、やや不思議な形です)、最後に火の神である火之迦具土神(カグツチ)を産んだ時伊邪那美の陰部を焼いてしまい、その傷が原因で伊邪那美は死んでしまいます

怒った伊邪那岐はカグツチを真っ二つに切り捨ててしまいますが、妻を失った悲しみを癒す事が出来ず黄泉の国に迎えにいきます

しかし既に黄泉の国の住人となっていた伊邪那美を見て「ぅわ!キモっ」と叫んでしまい、激怒した伊邪那美に追いまわされて何とか逃げ切りました

この下りはギリシャ神話のオルフェウスが妻のエウリュディケを連れ戻そうと冥府のハデスの元へ懇願に行った物語との類似性が指摘されており、7~8世紀には既に中国にまでキリスト教や西洋の文物が到達していた事を考えれば、影響を受けた可能性はあるのでしょう

伊邪那岐は黄泉の穢れを濯ごうと海で身体を洗っていると(みそぎ)、顔を拭った時に左目から天照が右目から月読(ツクヨミ)が、鼻からスサノオが生まれました

最後に最も貴い三柱の神(三貴子)が生まれたことを喜んだ伊邪那岐は、天照に高天原を、月読には夜の世界を、スサノオには海の世界を治めるように命じて姿を隠したといいます

しかしスサノオだけは母を恋しがって仕事をしなかった為に世界が荒れてしまいました

怒った伊邪那岐はスサノオの仕事を取りあげ追放します

         …っていうか、スサノオって伊邪那岐1人から生まれてて母親いないですよね

というツッコミは無しにして、自由の身になったスサノオは母に会いに行こうと考えますが、その前に姉の天照に挨拶して行くことにしました

利かん坊のスサノオが高天原に来ると知った天照は、弟が高天原を奪いに来ると思って神々総出で戦支度をしてスサノオを出迎えます

その仰々しさの驚いたスサノオが害意はないと弁解しますが天照が信じなかったので、2人で占いをして潔白を証明しようと提案します

         …何故占い!?(原文では誓約と書いて「うけい」)

2人は互いの持ち物を交換してそこから神を生み出すと、スサノオの剣からは女神が生まれ、天照の飾りの勾玉から男神が生まれました(この1柱が天忍穂耳[アメノオシホミミ])

スサノオは自分の持ち物から女神が生まれたのは心が潔白だからだと言い、よく意味が分からないその理屈で天照は納得したそうです

疑いの晴れたスサノオは喜んではしゃぎ回り高天原を荒らしてしまいます

最初の内は疑っていた負い目からか多目に見ていた天照でしたが、スサノオが暴れた巻き添えで天照の服織女が死んでしまうに至り怒って天岩戸に隠れてしまいます

いわゆる岩戸隠れです

八百万の神々が知恵を絞り、宴会を開いて気を引き外を除いた天照を引きずり出して世界に光を取り戻したのです

この騒動の責任を問いスサノオは高天原を追放されます

地上に降りたスサノオは出雲の国でヤマタノオロチの生贄にされかけている娘を助けます

スサノオは娘を妻にして出雲に住みました

          …母親はどうした!?

というか、この世界にはいつから地上に人が住み始めたのでしょう

誰がこうした一般人(この段階ではまだ神の卷族という扱いかも)を作ったのか、日本の神話はそこのところを語ってくれていません

このスサノオの子孫が大国主であり、高天原の天津神系に対し国津神系になります

多くの兄弟の末弟だった大国主は当初兄達から軽んじられていましたが、因幡の白ウサギを助けたことで八上比売(ヤガミヒメ)の求婚を受けます

そのことが兄達の恨みを買い、何度も殺されてしまうのですが大国主の母が神産巣日神(造化三神の1柱)に頼んだりしてその度に生き返ります

兄達から逃れるためにこの時は既に根の国(母の伊邪那美のいる黄泉の国と同義らしい)にいたスサノオの元に行く事を勧められます

そこにいたスサノオの娘・須勢理毘売命(スセリヒメ)と互いに一目惚れとなり色々な試練を受けた後に婿になる事を認められ出雲の国を治めるようになります

          …ヤガミヒメの立場は?→実家に帰ってしまったそうです

ここから大国主の国作りが始まるのですが、この下りは日本書紀ではごっそりと割愛されています

大国主は神産巣日神の子・少名毘古那神(スクナビコナ)や奈良の三輪山に祀られる代償として大物主の助力を得て出雲を豊かな国に育て上げました







( ・ω・) 「疲れたので続きます」