王者の帰還 | Dream Box

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 祝!ユヴェントス スクデット奪回!!

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長い道のりでした

セリエAの盟主、我がユヴェントスが戻るべきところに戻ってきました
                      ・°・(ノД`)・°・

思えば2006年、05-06シーズン中に発覚したカルチョ・スキャンダルによってユヴェントスは過去2シーズンの優勝を剥奪され(05-06、04-05シーズン)、セリエBへの降格を言い渡されてより苦難の道を歩んできました

このスキャンダルとはユヴェントスの元ゼネラルマネージャーのモッジらが審判を買収し、ユヴェントスに有利な笛を吹かせた不正事件を指します

それも直接ユヴェントスの試合で贔屓の判定を連発させると疑われてしまうので、対戦相手の前の試合で主力選手にファウルを多く取り、次節つまりユーヴェ戦には出場停止に追い込むという手法でした

司法はモッジの携帯電話を盗聴するなどして証拠を押さえ、彼らを告発したのでした

しかもこうした不正を行っていたのはユーヴェだけではなく、ACミラン・フィオレンティーナ・ラツィオ・レッジーナといったクラブも共に訴えられたのです

この事件の発覚の直後、プライドを傷つけられたままドイツW杯'06に臨んだアッズーリ(イタリア代表の別称)の選手たちは逆境を撥ね退け優勝の栄冠を手にしました

ユヴェントスからもブッフォン、カンナヴァロ、ザンブロッタ、カモラネージ、デル・ピエロらがこの中にいたのです

この他にチェコ代表のネドヴェド、フランス代表のビエラ、トレゼゲ、テュラム、スウェーデン代表のイブラヒモビッチ、ブラジル代表のエメルソン(W杯には不選出)等

レギュラーポジションの全てが強豪各国の主力級の選手で埋められており、これだけの戦力を抱えていて何故不正が必要だと思ったのか疑問になるほどです


そしてW杯の熱狂が終わると厳しい現実が待っていました

ユヴェントスはセリエBに降格&勝ち点-9からのスタート(当初は-20だったがシーズン途中に軽減)、他のクラブは次シーズンをマイナスの勝ち点を背負ったままスタートすることが決定されたのです

さらに翌シーズンのチャンピオンズリーグ出場権も失ったユヴェントスから多くの選手が去って行きました(上記の選手たちの中で残ったのはブッフォン、カモラネージ、デル・ピエロ、ネドヴェド、トレゼゲのみ)

これについては出て行った選手ばかりを責める事は出来ない事情もありました

2部に落ちCLの出場権も失いネガティブなイメージを負ったクラブはスポンサーからも忌避され収入的が激減することが予想されていた為、選手を売って少しでも資金を得ておく必要があったのです(CLの出場ボーナス+有料放送等の放送権収入+広告で軽く50億円以上になります)

また選手生命の短いスポーツ選手にビッグイヤー(チャンピオンズリーグ優勝トロフィーの別名)を得たいと言われた時、CLの舞台に戻るのが最短でも3年後になるユーヴェがクラブの為に残ってくれとは言い難かったのです

多くのスター選手が抜けたとはいえ、常勝軍団といわれたユーヴェにとってもセリエBの舞台は過酷な物でした

セリエBにいるクラブは大きく分けて2つあります

ひとつはセリエAとBを行ったり来たりするエレベータークラブ、もう一つはセリエBにいるのもやっとという地方の弱小クラブです

後者はユヴェントスのような世界的名声を誇るビッグクラブと公式戦を闘うことなど、夢のまた夢というレベルの存在です

ましてや主力選手の多くが抜けているとはいえ勝つ事ができれば…クラブにとっても選手にとっても一生の自慢話にできるでしょうし、あわよくばセリエAのクラブから獲得オフォーの話が来るかも知れません

全てのクラブが打倒ユーヴェを目指して後先の事も考えずに全力で挑んで来たのです

傷ついた獅子が飢えて眼の色を変えた野良犬の群れと戦うような試合が続いたものの、何とかユーヴェは優勝し1年でのセリエA復帰を成し遂げたのでした


復帰直後の07-08シーズンこそ3位、08-09に2位に就け王者健在を証明しましたが、セリエB転落のつけ(財政的な)が徐々に影響し始め思うような補強ができなかったことで、その後2シーズンに渡って7位と低迷することになってしまいました

08-09シーズン終盤には低迷の責任を問われて監督が解任、敗戦処理的な残りの数試合を引き受けたのが現日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏でした(いい人です)


     1分40秒~。夜桜見物に偶然映り込むザック(w

そして今季はチーム生え抜きのアントニオ・コンテを監督に迎え、過去2シーズンの反省から大幅な費用を投入し派手ではないものの堅実な選手補強を実行して新シーズンに臨んだのでした(黄色の背番号がイマイチ不安要素でしたが)

ユヴェントスは序盤から引き分けが続くなど必ずしも良いで出しではなかったものの、最終戦を残した現状で無敗のまま優勝を決めたのです(コッパイタリアも決勝に勝ち進み、2冠の可能性も残す)

しかし喜んでばかりとは言えないのも事実です

来季は2シーズンぶりにCLにも復帰が決まったわけですが、フロントは今季かぎりでクラブの象徴だったアレッサンドロ・デル・ピエロとの契約を更新しないことを明言しています

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今年38歳を迎える大ベテランですが、セリエB降格時もいち早くクラブ残留を決め、その06-07シーズンとセリエA復帰直後の07-08の2年連続でリーグ得点王に輝くなど老いて(?)なお存在感を増すイタリアカルチョ界の至宝です

さすがに今期はリーグ戦2得点に留まり(その他公式戦では3点を加える)、ユーヴェは若返りを図るため19年間に渡ってクラブを支えたバンディエラ(旗手・象徴の意)との離別を決断したのでした

現地時間で5月20日にローマで開催されるコッパイタリア(日本の天皇杯に相当)決勝、対アタランタ戦がデル・ピエロのおそらくイタリアでのラストダンスになるでしょう(今季で引退する事は無いようですが、移籍先はおそらく海外になると言われています)

ユヴェントスが認められた最後の優勝から9年ぶり、28回目の優勝を決めた今季は様々な意味で区切りとなる年になりました








( ^ω^) 「アレックスにはオレンジ色のユニフォームが似合うと思うお♡」