以前にも書いたことがあるShopperという歌。
この世界は閉店することのない何でも売っているお店だから何を欲しがってもいいんだよ。という欲望礼賛が繰り広げられる。
가지러 태어난 것처럼
手に入れるために生まれてきたみたいに
というフレーズのところでなぜかいつも涙ぐんでしまうり。
かつてPalletteという曲で等身大のパーソナルな25歳の自分の好きなものを歌ったことはあったものの、全人類の欲望というのはこれまではあまり歌われなかったテーマである。
この歌は、最近の子供達が将来について現実的にしか考えられず、現状を超えた夢を持たなくなっていることを知ったのがきっかけで作られたそう。
Shopper所収のアルバムThe winningは彼女の作品世界の格段のスケールアップを感じさせる作品で、本作がリリースされた年に初めてのワールドツアーが開催されたのも何かの必然を感じる。(Love wins all で「必然から逃げ出そう」と歌っているけど、これはまた別の話)
Shopperはアルバムの一曲目に配されているがワールドツアーのファイナルであったアンコールコンサートThe winningの模様をおさめた映画のエンドロールにもShopperのバッキングトラックが使われており、アルバム〜ワルツ〜映画、という"The winning"というコンセプトの円環を閉じる役割をこの曲が果たしている印象。
もう何百回も聞いているけど最近改めてすごいなと思ったのは、この歌詞。
필요 없는 건 없어
必要ないものなんてない
for my Victory, even your jealousy
私の勝利のためならあなたの嫉妬さえ
他人からの嫉妬なんて足を引っ張るだけのものだと思いがちだが、それすらも養分にして勝利しようという潔さ。
そして、
나 이제껏 모르던 세상을 욕심 내볼래
私 今まで知らずにいた世界を欲しがってみるね
と、子供達に夢を見てもらうためにまずは自分から現状の外に出てみるというリーダーシップ。
さらに、アルバムではShopperに続いてHolssiという、IUがたんぽぽの綿毛となりみんなを率いて空を漂いさらに上を目指す歌が収録されるという見事な構成になっている。