沼に溺れる | typの推しつ推されつ

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都内のメンタルクリニックに勤務しております。折々のお気に入りのコンテンツについて取り留めなく語ります。

ここのところおもしろいドラマが多すぎて同時に四本くらい視聴していてなおかつまだ見ていない積みドラマやこれから始まるものまであって目が回りそう。

 

今のところ一番熱を入れて見ているのが、「未知のソウル」。

 

 

未知というのは主人公の名前でもあり、とあるきっかけで初めてソウルで暮らすことになったの

でアンノウンという意味の未知ともかけてあるタイトル。

 

ソウルに出て会社勤めをしていた双子の姉妹がメンブレしたので入れ替わって生活をすることになったというのがそのきっかけである。

 

入れ替わりがモチーフになっているのは、昔からよくある話で、古くは男女の中身が入れ替わったり、

 

 

 

父と娘が入れ替わったり、

 

 

していたが、これらは何らかのショックで中身だけ入れ替わるというファンタジー的なもの。

 

「未知のソウル」の場合は見た目が同じなので物理的に入れ替わって生活をするのだが、従来の入れ替わりものと同様、入れ替わった相手について今まで知らなかった一面に気づかされたり、自分について周囲が抱いている思いを知ってしまったりして、視点の移動により現実に強烈な揺らぎが生じてしまう。そこで大きな衝撃をうけてあがいたりもがいたり誰かに助けられたりするうちにいろいろな洞察があり成長を遂げる、というある種のビルディングスロマンとなっている。

 

とにかくこのドラマ、性格や境遇が真逆の双子の姉妹の二役を繊細な心のさざ波まで見事に演じわける主演のパク・ボヨンの神がかった演技がすばらしい。

 

二つ目は、まるで毛色が違うのだが、クライムサスペンス「ナインパズル」。

 

 

「梨泰院クラス」で人気を博したキム・ダミがプロファイラー役を演じ、最近とみに売れっ子になったソン・ソックがバディーの刑事役を演じる。

 

なんだかわけのわからない連続殺人が起こり、どうやら被害者にはなんらかのつながりがあるようで現場には意味深なパズルのピースが残されていて謎が謎を生み…という展開なのだが、そもそも主人公で警察官であるキム・ダミも最初から容疑者という複雑な展開になっていて真相が知りたくて仕方なくなる。

 

人の心の闇というのは、ほんの近くに潜んでいることが感じさせられる話である。

 

もうひとつは、「おつかれさま」で超素敵なお父さんを演じたパク・ボゴムが主演の「グッドボーイ」。

 

 

もとオリンピック選手たちが特別枠で警察官となりチームを組んで活躍するという設定だが、ボゴムはボクサーで、他には射撃、フェンシング、円盤投げのもと選手たちがメンバーになっていて、彼らの得意技を生かした奮闘ぶりにワクワクさせられる。

 

四つ目は、ようやくすべての謎が解ける「イカゲーム」。

 

 

まだ一話しか見ていないので全くわからないがとりあえずなんとか円環を閉じてほしい。

極端にまで殺伐としたデスゲームの中で懸命にもがく人々のドラマは普段は忘れているバイタルな生存本能を掻き立ててくれてなんか頑張らなきゃという気持ちにさせられる。

 

これから始まるものでは、あのIUの彼氏イ・ジョンソクと「おつかれさま」でIUの弟を演じていたカン・ユソクが出演する新作、「瑞草洞」。これはどちらかというとしみじみとしたヒューマンストーリーとなりそう。困難や失敗の中での成長や心洗われるエピソードで応援してくれそうな予感。

 

 

もともと、海外ドラマが好きでレンタル屋で「プリズンブレイク」とか「ドクターハウス」を借りて見ていたりしたので、配信サービスが主流になってもなんやかんやと見ていたのが、コロナ禍が始まったころに何かの拍子に「愛の不時着」を見てしまって以来、

 

 

韓ドラの沼に溺れてしまいはや数年が経過してしまっているのだが、なんでこんなに見続けているのだろうか。

 

あらゆるジャンルが取り揃えてあり、バラエティーが豊かで、エンタメとしての洗練や完成度の高さというのもあるが、人間の情動や人生の不条理・奥深さについて非常に幅広く深く掘り下げて表現しているところなのではないかと思う。

 

喜び、怒り、悲しみ、嫌悪、恐怖、驚き、軽蔑などの基本的情動は文化が異なっていても共通しているようで、日本は韓国とは文化的に異なっていて、価値観が必ずしも一致しないところもあるが、特定のシチュエーションにおいて生じる情動そのものは同じで、ときに激しすぎる執着や憎悪に対して共感や納得はいかなくても、巧みな脚本や感情表現の演技を見ると、ある意味物理的な共振や共鳴みたいなものが起こって、なにやら架橋された感じがするところに味わいがある。

 

また人生のおけるあらゆる過酷さが半端なくリアルというかスーパーリアルに描かれていて、それと表裏一体の強いカタルシスも魅力だし、一方で果てしなく優しい瞬間も描かれる。

 

娯楽としてもクォリティーが高いのだが、対人支援の仕事をしていて、いろいろなシチュエーションに遭遇したとき、何かのドラマのどこかの場面にリンクすることがあるのでいろいろとインスパイアされることが多く。これからもこの沼からは抜けられそうにない。


最後に全然関係ない話になるのだが、ブラッド・ピットのF1が最高すぎた。



 30年ぶりにF1レースにカムバックするオジさんレーサーの話だがカッコ良すぎ。


そして、OSTのエドシーランの歌がいつもの彼らしからぬハードロックでこれもハートを射抜かれてしまった。



歌詞も素敵。


Flying through the city, I got God on my side
But the real world is not far


Pushed to the limit, I'll be burning all night
Gettin' tailed by a cop car


Pull away, wind blowin', now I'm cruisin'
Put the past in the past, a new day is comin'

Flying through the city, I got God on my side
But the real world is not far


Ha-la-lay-la, we can ride
Four wheels, you and I, gotta get out of here
Ha-la-lay-la, my saviour
Ha-la-lay-la, we can fly
Out of this burning fire, just take me anywhere
Ha-la-lay-la, my saviour
Pedal down and drive
Drive
Pеdal down and drive
Just drive


スピード出しすぎでパトカーに追われてるけど神様がついてる!燃え上がれ!飛ぶようにただ走れ!


これはアツい。