学校につくまでの道のりでおもむろに佑唯が口を開く。

「友梨奈って記憶なくしてるの?」

「あー、うん」

「いつから?」

「小学生の頃の記憶からないよ」

「へー」

聞いておいて反応が薄かった。

「じゃあ全く覚えてないの?」

「いや、ちょっとずつは思い出してきてるよ」

「そうなんだ」

またもや反応が薄い。
聞く意味あんのかと思ってしまうほどに。

「何覚えてる?」

この質問には答えなかった。
いや、答えたくなかった。
さすがにまだこんな話までできるよう信頼関係ではない気がするから。

「あっ、もう着いちゃった!
友梨奈と一緒だとなんかはや〜い」

気を利かせてなのか、佑唯は正門まで走っていった。

私が思い出したこと。
それは、バスケ部内いじめられていたということ。
いじめがエスカレートして頭を強く殴られたかなんかしてこうなったんだと思っている。

「友梨奈早くー!」

「前見ないと転ぶよ」

「大丈夫だm、いったー」

言ったそばから佑唯は盛大に転んだ。

「大丈夫?」

「うん!ありがと」

佑唯は満面の笑みで差し出した手を握った。

「ずーみん!!!!」

急に大きな声がしたのでびっくりし、そちらを見ると愛佳たちがいた。

「ねる〜」

「大丈夫だった?」

「うん!友梨奈のおかげでもうばっちし!」

ねるに続き、理佐とこばも佑唯の周りに集まり心配しているようだった。

「なんで1歩離れたところにいるの」

「愛佳こそ」

「私はいいの。てちのほうが心配だから」

愛佳はサバサバしていてよく勘違いされやすいが、私が知ってる中で一番友達思いの優しい人だと思う。

「大丈夫だった?」

「1回発作起きた」

「え!?」

愛佳は相当びっくりしているようだ。

「大丈夫だよ。すぐ治まったしそのあと何ともなかったから」

「朝練、出て大丈夫なの?」

「うん」

「じゃあ行こ」

「え、あ、うん」

もっと過保護な程に心配されるかと思ったが、思いのほかあっさりしている愛佳に驚いたし、ちょっと寂しいような気もする。

「どうした?」

「いや、なんでもない」

「ふーん」