さて、何度かに分けて書いてきた

~日系静脈産業メジャーの育成・海外展開促進事業~


そろそろ終わりにします。


廃棄物の有効利用の為、日系静脈産業を海外にも展開し、

アジアの廃棄物による環境汚染、

日本での経済効果、レアメタル資源の確保などを目的としたこの施策。

実際にどのような形の事業があるのでしょうか。


まずは、アジアの廃棄物による問題の事例として、

銅線を回収することを目的とした、被覆ケーブルの野焼き

有価物の確保をするため、大量のゴミの上を裸足で歩き回る人々

廃棄物の急増予想(2050年までに2000年比で世界の廃棄物量が倍増予想。その大半がアジアからの排出となる)


もう一方の側面である、

日系静脈産業はアジアの廃棄物問題の解決においてニーズはあるが、

意欲的に取りくむ業者が限定的であったり、

海外展開の経験が乏しいこと、

国際的大企業、地場産業との競争等がある為

なかなか、思うように行かないのが現実であります。


これらの課題を後押しするのがこの施策であるといえます。


続きまして、

実際の事業例を少々

・小型家電からのレアメタル回収

・高付加価値・低炭素型の鉄リサイクル

・ペットボトルの再ボトル化

・ペットボトルの繊維化


等があげられます。


ちなみに、レアメタルの用途ですが、

マンガン、ニッケル、タングステン→特殊鋼

インジウム→液晶

ガリウム、タンタム→電子部品(IC、半導体、コンデンサー等)

リチウム、コバルト→小型二次電池

ネオジウム、ジスプロシウム→希土類磁石、小型モーター


石油やレアメタルといった資源が乏しい日本。

特にレアメタルは地域偏在性が高く、

急激な価格変動などに対し、今後安定した供給を確保する必要があります。

世界情勢やレアメタル産出国などの思惑に対し、

供給、価格等主導権も得られないでしょう。


こういったことから、アジアの環境問題を解決しつつ、

日本において廃棄物から資源の確保、

さらに、産業の発展。といろいろな側面から効果が期待できるのではないでしょうか。