6月になりましたねぇ。
W杯南アフリカ大会も、
近づいてきました。
楽しみですね。
サッカーはW杯及び予選、EURO、アジア大会くらいしか見ませんが・・・・。
さて、ガスクロマトグラフィー検出器篇
今日はFIDです。
FIDは最も代表的な検出器の1つではないでしょうか。
FID(Flame Ioonization Detector):水素炎イオン化検出器
原理:
検出器には、水素と空気からなる水素炎があり、
カラムにより分離された有機化合物が入ると、
水素炎中で燃焼されます。
燃焼された際に、その有機化合物はイオン化されます。
イオンが出来るということは、電流が流れます。
その電流を読みとり、ピークとして現れます。
特徴
ようは、水素炎で燃焼されてイオン化する有機化合物を検出する。
ということです。
また、安定性、感度に優れ、非常に汎用性の高い検出器です。
一方で、選択性が無い為、妨害ピークの影響やピークの誤認する可能性があります。
主な用途としては、
炭化水素の分析。
プロパンガスや都市ガス、全炭化水素の測定、石油系炭化水素(TPH)の分析、ガソリン等の品質管理、
に用いられます。
他にも、悪臭測定として、脂肪酸、トリメチルアミン、アルデヒド類の分析にも使用できます。
このように有機化合物全般に使用できます。
一方で、有機化合物の中でも、FIDにほとんど応答しない化合物のあります。
例を挙げると、ホルムアルデヒド、ギ酸、二硫化炭素等です。
逆にそれを利用して、二硫化炭素をFID測定用の溶媒として用いることも出来ます。
また、有機化合物の炭素に酸素やハロゲンが結合していると、
イオン化が阻害されます。
その他の特徴。
FIDは炭素数に比例した応答が得られます。
同じ濃度であれば炭素の数が多いほうが、その面積値も大きくなります。
そこに、ほぼ比例関係があります。
とくに、炭化水素であれば炭素の数と面積値に大きな誤差はありません。
例えば、プロパン6ppmとヘキサン3ppmはほぼ同等の面積値が得られます。
ただし、炭素に水酸基やハロゲンが結合していたり、
二重結合があったり、官能基で応答に差が生じます。
留意点としては、
ほとんどの有機化合物に反応することから、
オーブン温度が上昇するにつれ、
カラム由来のベース上昇や、
助燃ガスの流量が不安定であったり、不純物の影響によるベースライン上昇などを起こします。
便利な検出器である反面、機器の管理が大変重要になります。
機器の管理が大事なのは、どの装置でも一緒でですが・・・。
今日は、こんなところで。
これらの特徴を把握した上で使用すると良いでしょう。