昨日のパックドカラム
最後にメリットとデメリットを書いて終了のはずが、
デメリットを書き忘れていました。
しっかり、自分の文章を読み返してから、
投稿しないとだめですね。
試験だったら、悔やんでも悔やみきれません・・・・。
さて、今日は昨日に続いて、
ガスクロマトグラフィーの分離部。
昨日も述べましたが、
分離の仕組みは、
カラムとカラムの周辺温度が主だったファクターとなります。
カラムについては、
固定相と物質の相互作用(分配や吸着)、固定相の厚さ、カラムの長さ
がファクターとなってきます。
今日は昨日のパックドカラムに続いて、
キャピラリーカラムについて少々。
キャピラリーカラムは、内径が0.1~0.5mm程度の
フューズドシリカか不活性処理された金属を材質としております。
その内側に0.05~5μm程度の薄さで、固定相がコーティングされています。
わかりやすく言えば、
毛細管の内側に固定相が薄く塗られている。といったところでしょうか?
わかりやすいかな?
キャピラリーカラムには大きく分けて二つの種類があります。
PLOTカラムと、
WCOTカラムです。
PLOTカラムは(Porous Lyaer Open Tubular)で、
カラムの内壁に粒子層を固定しています。
分離のしくみ
吸着
目的成分としては、
永久ガス、低分子炭化水素、常温で気体成分です。
メタンや硫黄ガスのほかに、SF6,CF4等PRTR分析にも私は重宝しています。
ただし、圧力コントロールなどの問題から、GCMSで使用する場合は、
カラムの素菅を検出器側につなげるなどの工夫が必要です。
つぎに
WCOTカラムは(Wall Coated Open Tubular)で
カラムの内壁に液相をコーティングしています。
分離のしくみ
気液分配
こちらは、低沸点から高沸点成分まで、非常に幅広く使用できます。
こちらのほうが汎用性で一般的なカラムといってよいでしょう。
では、分離の影響要因毎に特徴を述べていきましょう。
カラム長さ
パックドカラムと異なり、カラムの中は空洞となっている為、
カラムを長くすることが可能です。
10~60mの範囲であります。
10~15m:試料組成がシンプルな場合。PBDEやPBB等高沸点成分
25~30m:まず、試してみたいとき。
50~60m:低沸点化合物 短いカラムで分離しにくいとき。
カラムの長さと分離の関係は
カラムの長さが2倍になっても√2倍程度です。
逆に言うと、カラムが汚れた場合、よっぽど短いカラムでない場合は、
大胆にカットしても良いということです。
カラムの内径
0.1~0.53mm程度の範囲です。
GCMSでは、0.25mmが一般的で、
FIDなど検出器が大気圧のものは0.32mmや0.53mmも使用できます。
ただし、TCDのような検出器の容量が大きい場合はキャピラリーカラムは向きません。
細い内径のカラム:分離効率を上げたい場合や、分析時間を短縮したい場合
太い内径のカラム:注入量を増やしたい場合、分離度をそれほど求めない場合
が良いでしょう。
膜厚
膜厚は0.05μm~5μmとかなり幅広いです。
膜厚に厚いカラム:低沸点成分を測定したい場合
膜厚の薄いカラム:高沸点成分を測定したい場合
VOC成分は0.5~1.4μm程度、
農薬系は0.15~0.25μm程度
PBB,PBDEは0.05μm程度
が良いでしょう。
今日はこの辺で。