雨だけでなく、風も強い。こんなときに「会社に行く」というのは、どうなんだろう?
交通インフラは間引き運転、速度を落としての運転、または運転見合わせとする。安全を保障できないからだ。ということは輸送力が落ちていることになる。なのに同じだけの人が異動すると、余計に混雑するのは当たり前だ。

不急の業務の人は出勤をずらす、休む、という行為ができないものだろうか?自律的には難しいのなら、企業で判断基準を作り、それに従わせればよい。
そういうコンテンジェンシープランを策定していないから、従業員に「時間通りに行かなきゃ」という謝った判断をさせることになる。もちろん、業種や社会的役割によって内容は異なるだろう。

そういうプランがないにせよ、天候に関わらずいつも通りに、というのは融通が利かないというより、アタマを使っていないのでは?と思ってしまう。結果的にいつもより混雑した電車にいつもより長時間乗り、くたびれて仕事場についたとして、その日は効率よく仕事ができるのだろうか?

ということで、そろそろ家を出ようかと思う。
最近、自宅で作業をする余裕がなく、仕事の行き帰りに本を読むくらいが息抜きになっている。

マインドマップは自分なりに使いこなしているつもりになっているが、誰に習った訳でもないため、自己流である。そこで、参考になるかと思い次の書籍を購入した。

システム開発を見える化するマインドマップ―6つのケーススタディから学ぶ応用例/渡邉 安夫

¥1,995
Amazon.co.jp


この本、マインドマップの書き方の本、というよりも、上流工程でSEがやっておくことが書かれている、珍しい本である。
私自身、エンドユーザーにヒアリングした経験は数多いが、私の経験と全くと言っていいほど合致する。他にここまで「上流工程の勘所」を押さえた書籍は覚えがなく、上流工程の勘所の説明の仕方に感心するばかりで、ついマインドマップで、と言う観点を読み飛ばしてしまうほど。
上流工程に携わろうとする人にお勧めの一冊である。


い。きっと著者はマインドマップで上流工程の勘所を整理したに違いない。

サービスという観点から、接客業、とりわけホテル業のサービスに関する本を読み漁った時期があった。今思うと「個人で心掛けること」が主流であったように記憶している。

先日書いた中で紹介した「サービスが伝説になる時」は観点がちょっと違い、新鮮であった。
ノードストロームにもう少し深入りしたのが「ノードストロームウェイ」という本だ。あいにく品切れのようだし、Amazonでの評価も高くないようだ。しかし、この書籍、組織のマネジメントや人の育て方については非常に含蓄のあるものだと感じた。自分なりに感じたことをいくつか書いてみる。

トヨタカンバン方式の生みの親である大野耐一氏の考えに「工場中に自律神経のネットワークをはりめぐらせたかった」という話をされていたそうだ。つまり、情報を上げて上からの指示を待つのではなく、組織の末端の裁量で判断することだ。人間でも、脳で全ての判断を行っているのではなく急ぐものは脊髄反射を行っている。ヘンな表現だが、体の中でもこのように権限委譲(エンパワーメント)している機能がある。言いたいことは、末端にまで脊髄を行き渡らせ、さっさと処理をしてしまいなさい、というように解釈していいだろう。
この考え方は、ノードストロームの方針でもある。製造業と接客業は全く違うが、通じるところがあるのが興味深い。また、プロジェクトマネジメントの分野でも、先日受けたPMI日本のセミナーで同じような話があった(というより、大野耐一氏の話は、その中で聞いたモノだ)。
共通していることは「自律的に行動すること」「自律的に行動できる環境を作り、自律的に行動できる人を育て、伸ばすこと」であろう。

指示待ち族なんて言葉もあるが、そもそも能動的に何でも、という人は少ない。ノードストロームは特別な人材を採用している訳ではないが、能動的な人が多いそうだ。これは上から細かいことは言わず、極力現場に権限委譲しつつも、ある程度の失敗は成長の糧としてもらうため、上の人が責任を取ることで能動的な人が「育つ」のではないか。先日のPMI日本のセミナーでは「管理しすぎ」の弊害を紹介していた。まさに同じ事を言っているのではないだろうか。


そのほか、ノードストロームは「返品に応じる」という。靴や婦人服、紳士服を扱っているのに、タイヤを返品しにやってきた人の返品に応じた、という伝説がある。これの事実関係も書いてあるし、返品システムをなぜ導入しているのかも書いてある。そもそもノードストローム一族は表に出たがらないし、語りたがらないそうで、この書籍も今までベールに隠れていたものを初めて表に出したものらしい。
考え方は至ってシンプル。「顧客のため」である。顧客のためを掲げる企業は多いが、ノードストロームには「揺るぎない芯」がある所が違う。

いろいろな経営書を読むより、この一冊の方がよほど役に立つ。しかし、理解するためにはそれなりのポテンシャルがいるのではないか。若い人、または能動的な人に勧めたい。ある程度社会経験を積んでしまうとスレてしまい素直に読めなくなるようにも思う。
再販を願いたいところだ。