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 発表を終え,学会から帰ってきました.BIG開発者のCEOにもお会いでき,データ交換も行いました.日本の病院前救急診療における1つの有用なデバイスとして認識される日も近いでしょう.

本日のドクターヘリ(幸部先生,岡本先生,清水看護師の報告より)
1件目 パラグライダー墜落
 朝礼直後の要請です.「山中にパラグライダー墜落.」 救急覚知同時要請です.幸部先生お得意の山中事案.ドクターヘリは10分少々で現場上空に到着.救急隊はまだ現場到着していません.また患者さんの墜落現場も特定出来ていないようです.そこで・・・
 写真左上:上空から墜落現場の捜索です.「あっ.あそこ!」発見です.
 写真右上:現場直近の空き地にドクターヘリは着陸.そこから入山ポイントまで支援車で移動です.ヘルメット装着,長袖OK.
 写真左下:患者さんのところに到達するのにかなり時間を要す見込みです.別事案の要請がはいった場合を考慮し,岡本先生は入山せず待機です.「幸部先生,山に登って下さい!」 岡本先生,病院前救急診療,当地域のドクターヘリ事業に慣れてきました.幸部先生,清水看護師は消防の皆さんと一緒に資機材を担ぎ,ストックを両手に入山です・・・幸部先生,4月から何個目の山ですか?
 写真右下:登ること16分.患者さんのもとへ.すると患者さんは宙ぶらりんの状態から自力で降りてきました.歩行可能,診察上問題なし.良かったです,何ともなくて.ほっとしながら皆で下山です.お疲れ様です.
 ほっとする幸部先生ではありますが,岡本先生には別事案の要請情報が!岡本先生の予想通り別事案対応が入りました.

2件目 意識障害
 支援車でランデブーポイントへ岡本先生,清水看護師は移動し,そのまま離陸します.幸部先生は1件目の患者さん対応を引き続きおこないます.2件目の現場は1件目とそんなに離れていません.ドクターヘリは数分後にランデブーポイントに着陸.「意識朦朧,呂律が回らない.」との情報です.岡本先生はランデブーポイントに到着した救急車内で診療を開始します.意識障害あり,右不全麻痺,低血糖なし.脳卒中!TECCMCへ!!ヘリへ搬入し,離陸準備中に幸部先生が1件目の現場から支援車で2件目のランデブーポイントへ滑り込んできました.無事幸部先生もドッキングでき離陸です.ヘリポートからCT室へ直入.現場の診断通りです.

 適切な要請により現場での医療開始,早期医療介入,搬送時間短縮が実現しています.1件目,2件目ともに陸送であれば片道50分近くかかる地域です.引き継ぎを含め往復2時間.ドクターヘリはその地域に救急車が不在となる時間を何分の一かに短縮します.

3件目 施設間搬送(大動脈解離)
 地元の病院での継続治療を希望されドクターヘリで転医です.いつも快く応需していただきありがとうございます.

 岡本先生,詳細な報告書ありがとう.尚1件目事案の写真は,当院の職員がたまたま現場近くにおられご提供いただきました.

 救急医学会では多くの先生方に「よく飛んでるね,がんばってるね」と言葉をかけていただきました.これも関係機関の皆様,地域の皆様のご理解とご協力によるものです.その甲斐あって,救われた命はいくつもあります.今後ともよろしくお願い申し上げます.