
本日は医師会の先生方にドクターヘリを含めた救急医療体制のお話をさせていただきました.この4月から急激に変化した等地域の救急医療システムについてご理解が深まったことと思います.ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.
本日のドクターヘリ(小林,倉橋先生,米田看護師)
1件目 胸部苦悶感
救急覚知同時要請です.現場上空にはドクターヘリが最先着です.上空から救急車の動きを確認しつつ直近のランデブーポイントに着陸,そのまま支援車で現場に向かいます.ちょうど患者さんは救急車内に収容されるところ.覚知から20分程度で医療介入です.陸送であればプラス20~25分.12誘導心電図,心エコー幸い異常所見はなさそうです.本人の症状も軽快.しかし,既往に狭心症があることより,TECCMCに搬送し精査とします.
2件目 墜落
救急覚知同時要請です.フライトに15分程度かかる地域,救急車現着にも時間のかかる地域です.「屋根からの転落,意識障害」 わずかな情報ですが重症の可能性もあります.外傷は受傷から1時間が生死を分けます.搬送に時間のかかる地域であればあるほどヘリの有用性が発揮されます.機内で準備を行いランデブーポイントに着陸.今日2回目の支援車での現場投入です.支援車に揺られること5分強,現場に到着です.ちょうど救急隊が患者さんを搬送中でした.ならば救急車内に収容と同時に出発!走りながら外傷初期診療を開始です.現場滞在時間,搬送時間の短縮を考えた対応です.気道,呼吸,循環は問題なさそうですが,同じことを繰り返ししゃべられます.もしかすると頭部外傷があるかもしれません.また,背部痛もあるようです.FAST negative,低血糖もなし.輸液を行いつつランデブーポイントへ.あらかじめ選定されていた直近の病院へヘリ搬送とします.
消防の適切な活動により,時間的ロスはまったくなく,病院から遠方の地域であっても受傷から1時間以内に病院搬入が可能な事案でした.
当ドクターヘリの医療クルー現場投入率は2割弱.これも消防機関がヘリ要請のタイミング,重要性を認識されているからこそ成し得る数字です.ヘリを上空で待たしても,患者さんをランデブーポイントで待たせるな.これこそがこの地域の救命率を上げている1つの要請なのかもしれません.まだまだシステムを改善出来る部分もあるかと思います.どうぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます.
本日の写真は救急車内活動中の米田看護師です.フライトナースも重要な任務を日々こなしています.