このブログは大体日勤業務終了後に書いています.昨日はその後からが大変でした.ICUで突然の心停止(おそらくPE).PCPSを速やかに導入しましたが・・・ICU担当の岡本先生はいつの間にか一人でPCPS導入が出来るようになっておりました.小生はプライミング担当です(MEさんを呼び出すより早いですから).若い救急集中治療医の成長は頼もしい限りです.

ICU急変対応と同時に緊急手術対応も行いました.絞扼性イレウス.迅速かつ適切な診断と手術適応が虚血腸管を救えるか否かを左右します.幸い,早期診断と手術により,腸管切除は避けられました.術者の幸部先生,明けで爆睡中を呼び出された番匠谷先生,お疲れ様でした.また,手術中の初療対応で呼び出された松井先生,ありがとうございました.これで新しい朝を平和に迎えられると思いきや,急性虫垂炎,腹膜炎の手術がもれなく付いてきました.当センターの方針は,虫垂切除術であっても全身麻酔です.今回,この方針が功を奏しました.移動盲腸です・・・交叉切開を少し外側に延長し,回腸を辿ってやっと巡り会った盲腸は胆嚢の下にいらっしゃいました.さらに虫垂は盲腸の背側に膿瘍形成し癒着.アッペに始まり,アッペに終わる.外科医の諸先輩方の格言です.身にしみております.何とか本日のフライト時間に間に合いました.術者の幸部先生は何故,困難な虫垂炎症例しか引かないのでしょうか???困難であればあるほど燃える.acute care surgeonはまさに「ドM」集団のようです.

本日もドクターヘリは各消防本部から適切に要請され,活用されました.ありがとうございます.
1件目 アナフィラキシーショック
2件目 急性冠症候群(胸痛持続,冷汗あり)
3件目 意識障害(既往に症候性癲癇があることが後に判明)

2件目出動中に重複要請がありました.対応出来ず申し訳ありません.やはり,この地域にドクターヘリは2機必要なのかもしれません.