総評
心配していた通りの試合になりました。
新潟戦で上手くいかず、浦和戦で修正し、広島戦では完勝と、チームの流れは良かったのですが、鳥栖がこれらのチームとは異なったサッカーをするので、平常心を持って自分たちのサッカーで挑めるかが注目点でした。
しかし、立ち上がりのレナトのイライラ、および、リッキの不安定なプレーで試合がぶち壊しになりました。川崎の場合は、ちょっと調子が上がってくると、プレーが軽くなり、相手次第では自分たちのサッカーができなくなります。そういう病気が出てしまいました。
加えて、この日はスタンドも問題だったと思います。
立ち上がりの数プレーでスタンドがビービー騒ぎ出し、レナトのイライラをヒートアップさせてしまいました。サポーターの応援姿勢も敗因と言えるでしょう。
厳しいディフェンスは鳥栖の専売特許です。参考データとして反則数を見てみると、今季の440回は柏に次いで2位、J1平均387回を13%も上回ります。ちなみに、2012年も641回と1位の神戸とほぼ同水準で、J1平均547回を17%も上回るチームです。
こういうチームですので、選手たちがイライラしやすいわけですから、そこをどう抑えさせるかが大事だったと思います。サポーターも鳥栖の罠にはまった試合でした。
戦術評価(川崎)
西部→リッキ
イナ→森谷
森谷→アランピニェイロ
このような布陣変更を強いられましたが、守備面では、GKの不安定さがてき面に現れ、中央で相手の野田選手にいいようにボールをキープされるなど、真ん中のラインがグラグラでした。
加えて、ビルドアップも問題で、鳥栖の守備がちょっと厳しいからなのか、ボランチに入ったはずの森谷が右サイドに流れてしまう傾向が顕著に表れ(かくれんぼ)、中央に山本一人しか残っていないシーンが多々ありました。
前バルサ監督のグラウディオラは、「セントラルMFはセンターサークルから出るな」と言っており、パスサッカーでは、如何にボランチが中継役になれるかが生命線です。そこから逃げてしまった森谷は問題だったと思います。
また、アランが右ウィングに張りっぱなしで、左に張りっぱなしのレナトとのコンビだと両翼が高すぎたため、ボールがなかなか回らない環境になってしまいました。森谷やコバ悠が右ウィングに入ると、彼らが中央で受けるケースが多く、ボールの回りが良くなるのですが、この日はダメでした。
その結果、大久保のコメントにあるように、サイド一辺倒で中央にボールが回ってくることがなく、鳥栖にとって守り易い攻撃をしてしまったと思います。
こういう試合を見てしまうと、イナの代役には福森をチャレンジさせてほしいと思います。天皇杯の出来も、出場した若手選手の中では抜群の出来だったと思いますし、ボールの扱いに自信があること、身体も大きいことから、中央に張り続ける気持ちを普通に持てるように思います。
加えて、中央から正確なロングフィードが出せれば、相手も対処が難しくなるでしょう。そろそろ、福森には活躍のチャンスが必要だと思います。
戦術評価(鳥栖)
主力格を川崎以上に欠く中で、鳥栖らしい試合ができたといえるでしょう。但し、川崎が鳥栖らしい試合をさせたことが原因であり、川崎がもう少し大人の対応をしていれば、このメンバーでは厳しかったと思います。
とはいえ、自分たちのサッカーをやろうという集中力は、川崎の選手以上にあったことは確実で、そこは称賛したいと思います。
J1で生き残るにはこういう方法しかないわけですが、それをクラブもサポーターも受け入れている様子がうかがえ、立派なチームだと思いました。
同様の予算規模を持つモンテディオ山形も応援しているのですが、このクラブは「守備的なサッカーではつまらない」と、クラブもサポーターもが攻撃サッカーに傾いてしまい、目下、J2でもがき苦しんでいます。なんだか対照的なクラブだなと思いました。
試合の感想
試合終盤にコバ悠を投入し、ケンゴをボランチに下げてから可能性が出てきたように見えました。
パスサッカーでのセントラルMFは、相手が厳しく来れば来るほど、「相手の勢いをいなす快感」を楽しめる選手でないと務まりません。それができる選手を出さないと、このような試合になってしまいます。
また、相手が反則が多いことを逆手に利用し、中央での攻撃を増やし、良いポジションでFKを獲得するというのも大事な戦術だと思います。この試合ででいえば、アランやレナトには徹底して内側にドリブルで仕掛けさせたり、中央の森谷と山本にも、縦に行かせれば流れは違ったでしょう。
そして、できればFKのスペシャリストである福森がいれば、鳥栖はファウルをしにくくなり、守備が崩壊していたのではないかと思います。
時間帯別ボールロスト
試合を6等分した集計結果
0~15分(12回)、16~30分(7回)、31~45分(8回)
46~60分(10回)、61~75分(2回)、76分~終了(7回)
合計46回
以前のような大量ロストではないが、最近の試合の倍近い水準。
個人別ボールロストと採点
※採点は1(最高)~6(最低)
杉山(ロスト2回、採点6)・・・GKが慌ててはどうにもならない。次節も出場できるのか?
田中裕(ロスト8回、採点4)・・・前半に集中(6回)。後半からは多少は修正されたが。。。
ジェシ(ロスト1回、採点2)・・・こんな試合でも安定感がある。ボランチの守備力がもう少しあれば展開は変わったかもしれない。
イガ(ロスト1回、採点3)・・・ジェシほどではないが、安定感あるプレー。できれば、ドリブルで持ち上がるなどのプレーが欲しかった。
ノボリ(ロスト9回、採点5)・・・試合を通じてロストの山。狙われている左サイドをチャレンジし続けてしまったし、どフリーでのクロスの精度の悪さは問題である。
山本(ロスト1回、採点4)・・・イナが不在だと存在感が落ちる。まだまだ一人で中盤を牛耳る力は無い。
森谷(ロスト2回、採点5)・・・久しぶりに「かくれんぼう」を見た。鳥栖の守備がちょっと厳しいだけで、サイドに逃げ込んでしまう。
ケンゴ(ロスト8回、採点4)・・・チームを建て直せなかったリーダシップのなさ。
アランピニェイロ(ロスト3回、採点4)・・・レナトとの両翼は厳しい。とにかく運動量が少なく、ビルドアップも難だし、守備も弱すぎた。但し、中に切れ込むドリブルはこの試合で最も効果的だった。
レナト(ロスト8回、採点5)・・・イライラの一言。
大久保(ロスト1回、採点3)・・・ボールが来なかった。ずっと大久保を見ていたが、トップ周辺から大幅にはポジションを変えなかった。彼の意図がチームに伝わらなかったと言える。
コバ悠(ロスト1回、採点2)・・・短い時間だが最も可能性があった選手。コバ悠か森谷がウィングだったら、こんな試合にはならなかっただろう。
コミー(ロスト1回、採点4)・・・相手が引きまくった後のサイドはプレースペースが限られた。
結果 川崎 0 - 1 鳥栖
会場 等々力陸上競技場
観衆 18,090人
よろしければ「ポチ」っとお願いします。
にほんブログ村 川崎フロンターレ
にほんブログ村 モンテディオ山形