相馬新監督を迎えた新生フロンターレ、リーグ戦5試合を終えて2勝3敗の負け越し、某巨大SNS等を見ていると「監督解任」なる主張も飛び出す始末。
確かに気持ちはわかる。
相馬フロンターレが目指しているタイプのサッカー、つまりは、ポゼッション・サッカー、あるいは、人もボールも動くムービング・フットボール等と称されるが、近年のJ1ではイメージが悪すぎる。近年、これに取り組んだJクラブの惨状を見ると、サポーターとしては、腰が引けるどころか、背筋に寒気が走るほど恐ろしい。
人もボールも動くオシムサッカー、道半ばにして指導者を失い、放浪した挙げ句にJ2降格、1年でのJ1復帰はかなわなかった。
同じくムービング・フットボールを目指した城福サッカー、ありえないJ2降格を喫した。今季もイマイチだ。
ポゼッション・サッカーの代表格はレッズとサンフレ、サンフレはまあまあだが、レッズの惨状は目も当てられない状態だ。あの予算で、この状況というのは、到底考えられない。
基本的に、この手のサッカーは欧州でも上位クラブが採用している難易度が高いサッカーだと思う。その筆頭はバルセロナであり、アーセナルであり、マンUであろう。レアル・マドリーも昨季まではそうだった。そうしたサッカーに相馬フロンターレは取り組もうというのだ。
簡単ではない。
そこで、「相馬フロンターレ、何が問題なのか?」というテーマで数回の日記を書いてみたいと思う。多分、3回くらいの連載となるであろう。暇があったら、お付き合いくだされ。
ということで、その1として、「ディフェンス」について考えてみたいと思う。
フロンターレのディフェンスを、10/11UEFAチャンピオンズ・リーグの最少失点を誇っているマンチェスター・ユナイテッドと比較してみた。比較といっても、厳密な差を見るのではなく、根本的に何が違うのかを見ただけだが。
今から幾つかの画像をお見せする。テレビをカメラで撮った極めて原始的な画像だ。その画像を見ながら考えて行きたいと思う。素材は、フロンターレは先日の磐田戦、マンUはCLのシャルケ戦である。
この2つのシーンは、立ち上がり早々なのに、守備に戻りきれていないシーンである。川崎の選手のほぼ全員が自陣ゴール方向に向かって戻っている。守備陣にとって、最も危険なシーンであるが、川崎はこの手のシーンが多すぎる。
相手に背中を向ける戻りながらの守備は、視野もせまくなるし、体重移動に制約があるために、相手のちょっとしたフェイントに極めて弱い。
川崎は、守備人数はいたんだけどシュートに行かれた、ゴールを割られたというシーンが目立つチームだが、その原因は「戻りが遅い」ことが原因である。
このシーンはシャルケの反撃を受けているシーンだが、中盤のDFこそ自陣ゴール方向に向かってマークを追っているが、バックス4人は自陣ゴールを背にして完ぺきに待ちかまえている。
「どっからでも来やがれ!」という準備ができている。
これは、相手ボールになった時の切り替えの早さというよりは、「まずは定位置にしっかり戻って準備しよう」という備えに対する心構えの違いである。川崎の選手は、明らかに相手に合わせてダラダラ戻るギリギリの守備をしている。「備え」という意識が十分ではない。というか、そうした意識が足りなさすぎる。
この精神の差異が失点の差異を生んでいるのだ。
私は川崎の守備を「棒立ちディフェンス」と呼んでいる。
ボールから10m以上離れたスペースに5人の川崎の選手がいるが、全員、膝を伸ばした(腰を上げたとも言う)棒立ちスタイルだ。前半5分の時点で休憩タイム!何てディフェンスなんだろうか?
野球であれ、バスケであれ、スポーツをやっていた方はわかると思うが、膝を伸ばしてつっ立った状態から機敏な運動は不可能である。相手選手が鋭い動きを見せたら、ついて行くことはまずできまい。
このシーンは右SBの内田選手(シャルケ)が仕掛けているシーンだが、マンUの守備陣の姿勢は非常に良い。少なくとも、ディフェンダーに関しては、腰を落とし、どんな展開にも対応できる準備ができている。実に素晴らしいシーンである。
このシーンは立ち上がりのシーンで、フロンターレ守備陣が如何に小さく守り過ぎているかを考えるシーンである。攻撃の磐田7人に対して、守備の川崎8人なので、人数的にはこれで良い。
ここでの問題は、狙い通りにボールを奪取した場合でも、そのボールを繋いでいくプランが見えないことだ。つまり、カウンターに出られない。画像中央の守備陣3人の間隔を広げるなどして、いちばん手前にいる田中裕を余らすべきだろう。田中裕を余らすことができれば、右サイドからのカウンター攻撃の期待ができる。
以上、天下のマンUから守備面で学ぶべき点は次の3点である。
・「まずは定位置に帰ってから」という万全の準備に対する意識を持とう。
・定位置に帰ったら、腰を落とし、いかなる局面にも対応できるようにしよう。
・来るべきカウンターの経路を考えながら守備ポジションを考えよう。
次回は攻撃面を考える予定である。
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