ある日、家に帰ったら玄関に素足の足跡がいっぱい付いていた。誰か素足で歩いて来て、そのまま家に上がったようだ。
ドロボーではないようだ。用心してリビングのドアを開けると、東京にいるはずの息子が居た。非常に疲れているのかソファーの上で寝ていた。マンガの吹き出しのように寝言を言ったが、良く聞こえなかった。兎に角そっとして置くことにした。
暫くして起きてきたので、いきさつを聞いた。東京の社長がサイコロ賭博にはまって、会社が危なくなったので、急いで大阪へ戻って来たらしい。今後どうするのか尋ねたら、どこか再就職先を探すと言った。起業するとか言い出したら大変だと思っていたので一安心だ。
それから数か月後、東京の会社の影響は息子に及ばず、息子も新しい会社に勤めて平穏に暮らしているので一件落着した。
