勤務中、自身デスクの電話が鳴った。
ディスプレイに表示されたのは内線番号。
電話の主は私より少し先輩。
同じ管理職として働く同僚だった。
『あのな、聞いて欲しい事があるんや』
沈みがちな声でこんな事を彼が言うのは初めて。
きっと何かあったのだ。
私は和ませるつもりで明るく答えた。
『多分する気も無いやろうけど、愛の告白以外やったら何でも聞くで』
案の定、同僚は吹き出しながら続ける。
『手が空いたら来てくれると助かる』
『了解、片付き次第で行くわ』
やっぱり、
彼はネガティヴ思考を鎮められなくなったよう。
煮詰まり過ぎて誰かに聞いて貰おうと思った時、
私の顔が浮かんだとの事だった。
愚痴を溢す相手は多くない方がイイ。
私は彼が落ち着きを取り戻した頃を待って、祖父が言っていた言葉を伝えてみる。
『言いたい事は、明日言え』
腹を立てたり、
感情的になった時の注意を促す言葉だと言うと、
彼は何かに気付いたようだった。
オットと同じ穏やかな人だから、
これまでも言いたい事の多くを飲み込んだのだろう。
けれどこの言葉が彼のココロに響いたのなら、
きっと大丈夫だと信じている。
