シン・ウルトラマン見てきました。実は2回見ました。
以下、ネタバレなので、これから見る方は先へ進まないようにお願いします。
ネタバレ注意
最初、シン・ウルトラマンのタイトルが出る前にシン・ゴジラになっているのは、どういう意味なんだろうと思っていると、ウルトラQ的怒涛の展開が続いて、あっという間に禍威獣(怪獣)が6体ほど駆除されて「いまここ」となります。その間、スクリーン上の解説の文字はまともに読めないくらいのスピードで場面が変わって行きます。邦画で文字に追いつけなかったのは初めての経験でした。しかし、冒頭のシン・ゴジラというタイトルが一瞬出てくるのは、この二つに何らかのつながりがあるということを仄めかしたいんでしょうね。
長澤まさみの演技には脱帽しました。気合が伝わってきました。オリジナルのウルトラマンのフジ・アキコ隊員の役割なんでしょう、同様に巨大化して、このオマージュには、そうきたか!と頷いてしまいました。ウルトラマンの掌にも乗ったし。斎藤工のウルトラマンとのバディの関係も終盤には愛情込みっぽい感じも芽生えたのかなと思わせる演技でしたね。
もう山本耕史がメフィラスにしか見えなくなってしまいました。メフィラスの慇懃無礼な狡猾さ、これはハマリ役です。会話の中で格言をしゃべって「私の好きな言葉です」というのは、これから流行りそうですな。それから、山本耕史メフィラスと斎藤工ウルトラマンとの居酒屋での会話は、ウルトラセブンとメトロン星人の4畳半対話同様、名シーンとして今後語り継がれるのではないかと。
それにしても、ウルトラマンとメフィラスの直接対決は、足の細いフォルムもあり、エヴァの戦闘シーンをなんとなく彷彿とさせますね。
斎藤工のウルトラマンの演技も好感持てました。最近のウルトラシリーズの隊員のような変に明るい感じでなくて良かった。なんせ初代のウルトラマンなので、あのようなニヒルで落ち着いたトーンがぴったりだと思います。
今回初めてこのウルトラマンはリピア(もしかしてルピア?)という名前であることが分かりました。ゾーフィが最初ウルトラマンに対してそう呼びかけるのです。元々初代のウルトラマンにはそういう名前付いていたのだろうか、それとも今回からの新設定なのかな?(ちなみに、帰ってきたウルトラマンにはジャックという名前が付いてましたが。)
外星人(宇宙人)に地球人が生物兵器として活用できることが分かってしまったため、今後外星人が地球の支配権を確立しようとし、宇宙に混乱を招くので、ゾーフィが地球抹消計画を実行しようとするというのに結構ショックを受けました。なんせ、光の国のウルトラ族は、地球を守るのだとばかり思っていたので、この決定は驚きです。外星人からすると地球という小さな星の存在価値は取るに足らないものであるということを突きつけたわけです。これは、今までのウルトラ・シリーズにはなかった設定だと思います。そして、その地球抹消のための兵器がゼットンであるわけです。おお、ゼットンはそういう設定できたかと、ここでも唸ることに。
昨今のウルトラマンシリーズは、変身グッズや武器を売りたいという意図が前面に出た演出で、ウルトラマンがやたら喋るし(関西弁だったりする)、最初のテイストからは相当変わってしまっています。現代のウルトラマンシリーズとしてはこういう変化があるのも理解はできますが、初代から見ている層としては、物足りなさを感じていました。このシン・ウルトラマンは、そういう層にビンゴで訴えかける設定になっていると思います。ウルトラマンが変に饒舌でないし、主人公が大人で割と寡黙なタイプだし、変身グッズがオリジナルのベータカプセルだけで、やたらとソード系の武器はないし、外星人が知性を持っているタイプだし、とても良いです。ただ、オリジナルのウルトラマンでは、科特隊というチームがいて、基地があったり、ビートルという戦闘機や様々な光線銃などのガジェットがあったりしましたが、今回はまったくないです。まぁ、現代にウルトラマンが現れたらどうなるかというのが基本なので、仕方ないですね。
次のシンシリーズは、仮面ライダーなので、こちらも期待が高まります。が、なんといっても、シン・ウルトラセブンを見てみたいと思うのは私だけではないでしょう。
