このお話は短編にする予定の為、主人公等の名前はありません![]()
*1話 → http://ameblo.jp/tearfor/entry-10890967992.html
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愛は与えるためにある 大事に持っておくものじゃない
あけみが亡くなった。
まだ8歳という若さだったのに。
あけみは野良猫で、私が7歳のころに出会う。
野良だとおもっていたが、野良じゃなかったらしい。後々気づいたことだが。
最初は、残してしまったお弁当をどうしようか迷っていたことから始まって
どうしようか迷っていたところに
目の前をうろつく茶色い猫がいてすがるようにしてあげた。
それがあけみである。
残すとお母さんからのげんこつが飛んでくるので、
どうにかしても処分したかった。
ゴミ箱に捨ててしまえばいいのかもしれないが、
そのころの私はあまり頭は回らなかったらしい。
それからというもの、あけみは毎回残飯をあげる私になついてきた。
残すものはたいてい野菜だったが、たまに残す魚が気に入ったらしい。
どうしたことか、私が来ると甘えた声で鳴いてくる。
「にゃーお」
家の近くになってもあけみは私から離れなかった。
それどころか、ぴったりと足にすがり付いてくる。
今日はあまり残さなかったからか。
(困ったなあ・・・)
このままではお母さんにばれてしまう。
野良猫を拾ってきたなんていえるわけがない。
それに、残ったご飯の行方もばれてしまうかもしれない。
かといって、このまま猫を放置するわけにもいかない。猫に罪はないし。
私が途方にくれていると、幼なじみが偶然私を見つけ、声をかけてきた。
「どうしたん?」
「猫がなついた」
「つれて帰らんの?」
「帰れるわけない。怒られる」
このままじゃ一生家に帰れないかもしれない。
いやだ。それに今日は6時から少女戦隊アニメがやっている。
あと10分。オープニングも見たいから間に合わないかもしれない。
いろんなことを考えていると、気がつけば私は泣いていた。
「な、泣くなや。そんなんで泣いててどうするんって」
「もうどうしよう」
私が震えた声で泣いていると、急に男らしくなって
「お、俺が育てる。俺ん家ねこ1匹おるし、たいして変わらん」
「本当に?いいの?」
私が顔をあげ、瞳を輝かせていると
嬉しそうに
「おう!男に二言はない、俺が育てる」
「ありがとう・・・大好き!」
勢い余って抱きついた。
このときの「大好き」は異性としてではなかったと思う。
単に優しくしてくれたから言った。あの時までは。
けれど相手はそうにもいかなかったらしい。
「どうしたん?」
「な、なんでもない、それよりもう離れろって」
頬は赤く染まり、体はカチカチに固まっている。
なるほど。異性は抱きつかれると喜ぶのか。
「それよりさ、お前が名前付けて。俺センスないし。家族も微妙やし・・・」
「家の猫は?」
「・・・ま、まるすけ」
あまりに単純で可愛いネーミングだったから大いに笑ってしまった。
「笑うなよ!これでも3日は考えたんだぞ」
「3日でそのクオリティね・・・この子も和風にしようかな」
それから10分ほど考えただろう、もうアニメのことは気にしなかった。
お互いに猫の名前を言い合うのが楽しかったのだ。
「あけみがいい」
「あけみ?俺のまるすけと大して変わらんやん」
「うるさい!今ね、ピンと来たのさ」
「ふーん、あけみか・・・なんか人の名前みたい」
そして、私の足におとなしく絡まっていた「あけみ」に小さくつぶやいた。
「あけみ、こっちおいで」
私に言われたみたいで少し驚いてしまった。
あけみって名前じゃないけれど。
「あけみ」は何のことか分からないような感じだったが、
差し出された手に顔を近づけた。
最初私が近づいたとき、まったくよってこようとしなかったのにもう慣れたのだろうか。
「よしよし、お前かわいいな」
慣れた様子で猫を抱え上げる。
猫はされるがままになっていた。
「じゃあ、俺一回家帰るわ。母ちゃんにも話さなあかんし。色々猫もみなあかんし」
「うん。本当にありがとう」
「んじゃ」
くるりと後ろを向いて歩いていく。
肩の上から猫が覗いていて、どこかしら不安そうな顔だった。
続きます
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