「老人喰い」振り込め詐欺組織の裏側 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)/筑摩書房

興味深い:ワクワクワクワクワクワクワクワクワクワク /5
なるほど:001001001001 /5


鈴木大介さんの
「老人喰い」を読みました。


ここ何年かで高齢者を狙った
「振り込め詐欺」やら
「リフォーム詐欺」やらが
急増しているらしいですが、
この本では被害にあった高齢者ではなく
加害者の若者たちにスポットライトが当たっています。

決して犯罪を認めるわけではありませんが
加害者側にも「なるほど」と思わせるような
心の動きがあるようです。

この詐欺の増加は
加害者を逮捕しておしまいというような
単純に割り切れる現象ではなさそうですね。

この本によると
流通しているお金の六割を
持っているのが高齢者らしいです。

若者は働き口がなく
非正規雇用の増加やら
不況やらでまともな生活も
将来の保障も何もない状態。

そんな若者が詐欺組織から
先ほどの高齢者が所有している
お金の話を聞かされたらどうなるか……。


そんな社会的な問題点を指摘しつつも
最近、裏組織ものの話題に
すっかりハマってますですので、
詐欺組織の仕組みや”仕事ぶり”の方を
興味深く読んでしまいました。

この”老人喰い”行為により
若者にお金がまわっているのも
確かみたいですが
暴力団の資金源になっている点にも
注意しておきたいですね。