「おとぎ話の忘れ物」 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

おとぎ話の忘れ物/ホーム社

きれい:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5
怖い:020202 /5


小川洋子さん著
樋上公実子さんイラストの
「おとぎ話の忘れ物」を読みました。


スワンキャンディーのレジの後ろの扉は
〔忘れ物図書館〕となっている。
世界中から集められた
おとぎ話の忘れ物が並んでいた。


『ずきん倶楽部』
 ずきんの研究・蒐集をするずきん倶楽部の会長とは
 植物園の噴水前で初めて出会った。狼色の巻き毛の
 立派な犬を連れていた。

『アリスという名前』
 アリスという自分の名前が嫌いだった。クラスで
 アルファベット順に並ぶと一番先頭になる。
 そして、蟻の巣を連想するから。

『人魚宝石職人の一生』
 人魚の国では男の人魚は女の人魚に生涯尽くすことに
 なっている。長年人魚の体を飾る宝飾品をつくっていた
 男の人魚は末っ子の人魚姫の担当をすることになった。

『愛されすぎた白鳥』
 西の果ての大きな森に番人がいた。食料配達人の
 青年がおいていくキャンディーだけが楽しみだったが
 番人は湖にとても美しい白鳥を見つける。



読書会で紹介されていた本です。
樋上公実子さんのイラストをモチーフに
小川洋子さんが文章を添えられたとのことで
表紙イラストのイメージ通りの
ちょっぴり怖くて、不思議で美しい
おとぎ話が四話入っています。

イラストもたっぷり入っているので
その世界を堪能できますね。

オススメされたとおり
大きいサイズで読んだのですが
文庫本もあるらしいですよ。

イラストモチーフのお話ですが、
サブタイトルを見て分かるとおり
既存のおとぎ話が
さらにそのイラストのモチーフに
なっているようですね。


おとぎ話ってよく
「本当は怖い」みたいなネタが
多いですが、
こちらはただモチーフにしているだけの
別のお話という感じですかね。

お気に入りは
『愛されすぎた白鳥』ですかね。
お話の中の色合い?
(いろんなキャンディーが出てきます)が
とてもキレイで好みでした。

樋上さんの硬質で美しいイラストに
小川さんの美麗な文章、
すてきなマリアージュです。

やはりイラストが大きく見られる
大判の本がオススメですね。