「キャベツ炒めに捧ぐ」ごはん描写が秀逸 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

キャベツ炒めに捧ぐ (ハルキ文庫 い 19-1)/角川春樹事務所

おいしそう:食食食食 /5
心温まる:222222 /5


井上荒野さんの
「キャベツ炒めに捧ぐ」を読みました。


オーナーの江子、クールな麻津子、
夫と死別した郁子、惣菜屋の「ここ屋」で働く
六十代の女性三人が
おいしいお惣菜を作りながら
それぞれの恋愛に向き合っていく。



荒野の胃袋」という食べ物エッセーを
読んだ際にオススメ頂いた本です。

おいしい食べ物の描写が
満載の物語です。

六十代女性三人が
きゃあきゃあやっている
恋愛物語も斬新で面白かったです。

とにかく登場人物が
十代の女の子のように
若々しくて、読んでいて
とても楽しい気分になりましたよ。

その中でもやはり様々な経験をした
大人の女性だなーと
思わせる描写もちょこちょっこあり
こういう瑞々しい熟女を目指したいなぁと
思ったりして。

実際、六十代になって
こんないろいろな恋愛事件があったら
疲れそうですけども。

そしてやはりお惣菜屋さんという舞台ですから
食べ物がいっぱい出てくるんですが
その描写が細かくてすごくおいしそうなんです。

苦手な食べ物でも
文章で読むと食べたくなるって
本当に不思議ですよね。
(そして食べてみるとやっぱり苦手だったりして)

食べ物を上手に撮ることと
上手に描写すること……
死ぬまでに習得したい技です。

楽しい本でした。