「ナオミとカナコ」強かな二人に憧れる | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

ナオミとカナコ/幻冬舎


一気読み:1717171717 /5
カッコイイ:42424242 /5


奥田英朗さんの
「ナオミとカナコ」を読みました。


デパートの外商部に勤める直美は
結婚した友人の加奈子の家を
突然たずねた。

風邪で熱があるというので
何か食事でも持って行こうと思ったのだ。
しかし、現れた加奈子の顔は
ひどい色に腫れあがり見る影もなかった。
夫からのDVが原因だった。

離婚を勧める直美に
加奈子は報復を怯えてか
結論を先送りし続ける。
直美は加奈子の夫を”排除”しようと決意する。


「フォルトゥナの瞳」に続き
この作品も一気読みしてしまう
勢いがある小説でした。

300万円の腕時計を万引きしておいて
謝りも、悪びれもせず
堂々と振舞う華僑の女社長の李朱美。
デパートの外商部で被害者側のはずの直美は
この女社長の強かさにひかれていく。

そして、DVに怯える親友のために
どんでもない計画を立ててしまった。

加奈子もまた
そんな直美の強さに引っ張られるように
強い女に変貌していく、というお話。

簡単にいうと
親友2人でDV夫の殺害計画を
実行するわけですが、
この2人が本当に強い。

いや、本当は計画を実行しながらも
あれこれ悩んだり
弱気になったりもするのですが
そのたびに強くなっていく。

ネタバレしたら申し訳ないですが
最後の方はもう痛快としか
いいようがない展開で
面白かったですよ。

DVに怯えきって
「離婚できない」ともらしていた加奈子が、
最後には警察の尋問を受けながらも
出てきたお弁当をガツガツ食べ
ふてぶてしく白を切る。

すぐにオチるとふんでいた
刑事も唖然。

このシーン、その後の展開も含めて
大好きですね。

最後まで面白かったです。