「怪談」多くを語らずゾッとさせる | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

怪談/集英社

怖い:ホラーホラーホラー /5
絶妙:食食食食食 /5


小池真理子さんの
「怪談」を読みました。


『岬へ』
 かつて自分を想っていた達也が死ぬ間際に宿泊した
 ペンションを訪れた。女友達からは達也を弄んでいたと
 指摘されたが、友達として親しくしたかっただけなのだ。
 
『座敷』
 大学の友人であった真由美は地方の大地主郷田家に
 嫁いでいたが、夫を亡くし彼の弟の再婚をしてから
 骸骨のようにやつれてしまっていた。

『幸福の家』
 木田医院の娘である小夜子は秋の散歩を楽しんでいた。
 公園で老人梅津と出会う。お互いに家族のことを話したことが
 きっかけで親しくなるが。

『同居人』
 森の中で一人暮らしをする画家の”わたし”は、生前の夫が
 よく言っていた”子供”の存在を認識するようになった。
 ”わたし”はその気配だけの子供にひろくんと名付けた。

『カーディガン』
 飲み会でカーディガンの忘れものがったので、幹事である自分が
 預かったが、参加者の誰に聞いても自分のものではないという。
 店に確認したところ、誰かが紛れ込んでいたようだった。 

『ぬばたまの』
 知人にとある蕎麦屋に連れて行ってもらってから
 若くして他界した妻が頻繁に現れるようになった。
 愛おしい妻に気を取られ、徐々に生活も破綻していく。

『還る』
 病院で同室だった人物が語り出したいくつかの不思議な話。
 その人は幽霊などの非科学的なものはあまり信じないというが
 その中でも特に説明がつかない出来事があったという。

 

はじめての作家さんです。
名前はよくうかがうので
ようやく読めたという感じですかね。

たくさん作品があって入り口探してましたら
この「怪談」って好みっぽかったので読んでみました。
そして、面白かったです。

多くを語らず、
分かりやすいオチがないタイプの怪談ですが、
それがまたゾッとする後味を引き出しています。

うまいところで
終わるという印象ですかね。
絶妙です。

『座敷』が好みでした。
田舎の古い日本家屋を舞台にした
かび臭さが漂ってくる作品で
正統派怪談とといった雰囲気が
面白かったです。

”でてくるモノ”の目的も
不明というところがいいですね。
まさに多くを語らず。

ウィキペディア見てると
短編が得意な作家さんということなので
このスタート1冊は当たりだったのかも。

もっといろいろと読んでみたいです。
オススメあったら教えて欲しいです。