「あい」その強さに感動します | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

あい/角川春樹事務所

感動:20202020 /5
壮大:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5


高田郁さんの「あい」を
読みました。


伯母の年子に厳しく仕込まれ
機織の腕が立つ
美しい娘と成長した君塚あいは
年子の養子である
関寛斎に嫁ぐことになった。

寛斎は精力的に
自身の信じる医学を実践し
あいはそれを支え続ける。



実在の人物「
関寛斎」のエピソードが
妻のあいの視点で描かれている物語です。

時代は幕末から明治、
貧しい百姓の家柄で「乞食
寛斎」と
揶揄されながらも必死に
蘭方医学を修めた寛斎が
地位や名誉には見向きもせず
多くの人々を救います。

そして、73歳で北海道の開拓に
乗り出すという驚きの行動に出るのです。

そんな寛斎という人物もすごいですが
それをひたすら支えるあいの姿が
この作品の主軸なのですよね。

「みをつくし料理帖」シリーズで
高田氏の描いた波乱万丈の物語の
引力はすごい、と常々思ってましたが
こちらも一気読みしてしまうほどの勢いでした。

幼い頃から自然相手の百姓仕事と
機織をこなしてきたあいは
本当に強い。

その強さに寛斎は
何度も助けられます。
いい夫婦です。

高田氏があとがきで
あい亡き後の寛斎についてはあえて触れないと
意味深なことを書かれるので
気になっていつものウィキペディアで
見てしまいました。

偉業をなしとげたことに違いはないですが――、
ちょっぴり落ち込みました。