「竜が最後に帰る場所」今回もまた幻想的ですね。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

竜が最後に帰る場所/講談社

幻想的:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5
怖い:ホラーホラー /5

恒川 光太郎さんの
「竜が最後に帰る場所」を読みました。


『風を放つ』
 学生時代のアルバイト先にいた社員の高尾さんはぼくに
 よくしてくれた。しかし、アルバイトをクビになった後、高尾山の
 ガールフレンドらしきマミさんという女性から電話がかかってきた。

『迷走のオルネラ』
 私が10歳のとき、母の恋人だった宗岡にひどい虐待を
 受けていた。母が宗岡に別れを告げた後も、つきまとわれ、
 とうとう事件が起こる。

『夜行の冬』
 冬の夜に聞こえることがある錫の音は《夜行様》だと祖母が
 教えてくれた。その夜、ぼくは気になって音を追った。すると
 赤い服を着た異様な女と彼女に続く大勢の人々に出くわした。

『鸚鵡幻想曲』
 宏は電子ピアノを買った日、アサノと出会った。初対面で
 親しげに振舞うアサノに警戒心を抱いたが、アサノは宏のピアノが
 気になっているという。彼の打ち明け話は異様だった。

『ゴロンド』
 ゴロンドは5千匹の兄弟たちと池の中で生まれた。大きな魚、
 ザリガニ、鷺に狙われ、兄弟たちはどんどん数を減らしていく。
 何とか生き残ったゴロンドは成長し、陸へと上がって行く。


恒川作品は
やはり短編が好きですね。
おもしろかったです。

フワフワと幻想的で
少し怖くて、
ありそうで、なさそうで……
独特の発想がもたらす世界観に
圧倒されます。

特に、『夜行の冬』が好きでした。
冬の夜に現れる不思議な
行列について行く――ちょっと怖くて
夢の一場面みたいです。

夢みたい、といえば
短編全部が夢みたいな話なんですけどね。

本当に読んだ後は
パッと現実世界に戻ってきたという
感じです。

夢の世界に小旅行、
恒川さんの短編、また読みたいです。