- 押入れのちよ (新潮文庫)/新潮社
ちょっぴり怖い: /5
笑: /5
荻原浩さんの「押入れのちよ」を
読みました。
ブロ友Mirokuさんのブログで拝見しました。
『お母さまのロシアのスープ』
ソーニャとターニャはお母さまから決してマァさんを見てはいけないと、
言いつけられていた。中国の森にひっそりと暮らす親子の生活は
徐々に苦しくなってくる。
『コール』
岳と雄二と美雪は大学時代、超常現象研究サークルに所属し、
3人で「この世の謎はすべて目撃する」と飛びまわっていた。やがて、
岳と美幸が付き合いだし、結婚し、そして――。
『押入れのちよ』
仕事を辞め、金のない恵太は格安物件に飛びついた。しかし、
ある夜、おかっぱ頭で赤い着物姿の女の子が現れ、勝手に
ビーフジャーキーを食べてるという状況に出くわした。
『老猫』
叔父が亡くなり、財産処理の際に、一戸建てに憧れていたらしい妻が
そこへ住みたいと言いだした。手入れの行き届いた立派な家だったが、
そこには老いた猫が一匹住み着いていた。
『殺意のレシピ』
妻との中は修復不可能だ。釣りから帰った安田文彦はその日、
釣果にあるものを混ぜて食卓に並べる覚悟を決めた。
ところが、妻はいつもと変って急にしおらしい態度で文彦を迎え……。
『介護の鬼』
姑からのひどい仕打ちの仕返しとして、彼女が弱ってしまってから
介護と称して散々虐待をした苑子だったが、まだ足らない。ボケてしまった舅の
善三にも、虐待を始めたが、突如善三が意識を取り戻した。
『予期せぬ訪問者』
平岩隆三は愛人のサトミをつい殺してしまった。隆三は何とかしてサトミの
遺体を片付けようとするが、そんな大事なときに清掃業者の若者が
無料清掃のモニターを実施しているから、と部屋に入ってこようとする。
『木下闇』
15年前、親戚の子どもたちと隠れんぼをしているときに妹の弥生は
姿を消した。五月は妹が姿を消した三上の家を久し振りに訪れ、いとこの
雄一に会う。お互い弥生のことには触れなかった。
『しんちゃんの自転車』
いまから30年も前の話。真夜中にしんちゃんが自転車に乗って
遊びに来た。しんちゃんはオバケが出るというおたま池に行こうと
言い出し、私は仕方なくしんちゃんの自転車の後ろに乗った。
ちょっとホラーテイストな
短編集です。
ホラーテイストと一言にいっても
文字通りぞっとしちゃうお話から
表題作のようなコミカルなもの、
心温まるお話、ギャグマンガっぽいお話も――。
バラエティ豊かな1冊です。
いろいろと楽しめました。
やはり表題作「押入れのちよ」が
一番好きですかね。
ビーフジャーキーが好物の
座敷わらしのような少女と
就職活動中の男性の心温まる(?)
お話です。
適度に笑えて、ホロリとくる。
グッドバランスですねー。
「殺意のレシピ」も好きです。
こちらはひたすらギャグ路線?
妻の毒殺をもくろむ男の攻防が
面白おかしく書かれています。
後は、「しんちゃんの自転車」も
いいですね。
心温まっちゃう系です。
うーん、思い返すと
どれも面白かった気がしてきました。
夏にちょうどいい、
さらっと読めちゃう短編集です。