「夏のロケット」夢いっぱいすぎます。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

夏のロケット (文春文庫)/文藝春秋

夢いっぱい:2424242424 /5
のめりこみ:171717 /5


川端裕人さんの「夏のロケット」を
読みました。


マンションの一室で爆発事故が
起こった。
科学部の記者である高野はその事故現場の
写真を見て驚いた。

高校生の頃に
一緒にロケットの打ち上げや
火星への着陸を夢見た仲間の一人、
日高が設計したロケット部品にそっくりな
ものが写っていたのだ。



以前読んだ「下町ロケット」のコメントで
Mirokuさんにオススメ頂いた本です。

夏にピッタリのアツさを
備えた青春要素満載な作品でした。

面白かったです。

ロケットの設計やら
歴史やら、結構本格的な内容にも
触れていて、そういう方面が
好きな方はハマりそうですね。

「下町ロケット」では
エンジン部の製作に情熱を傾ける
中小企業の社長さんが描かれていて、
かなり荒唐無稽なチャレンジのように描かれていましたが、
こちらはチャレンジ度だけみるとさらに上回ります。

高校生の頃に一緒に夢を追っていた4人が
30歳を過ぎた頃に集まって
自作ロケットを打ち上げようとします。

これはアツいですね。
血沸き、胸躍ります。

ちょっと気になったのが、
主人公の空気感……。

主人公の高野以外のメンバーは
1年も前からロケットの開発を進めており、
若干、仲間はずれ気味のスタート。

さらに重要な場面で
他のメンバーは示し合わせたように正装なのに、
高野くんはそのことを知らされず、
汚れたTシャツ。

さらにさらに、水着の必要な場面で
他メンバーはちゃんと準備しているのに
高野くんだけ……。

笑うネタとかじゃなくて
普通にそんなシーンが描かれていました。

仲間に入れたげて!

主人公に感情移入をしている
こちらとしては
ロケットメンバーとの壁に
ちょっとだけさみしさを感じたりして……。

そういうシーンも
他のメンバーは夢に向かって
かなり明確な計画と強い意志を持っているのに、
主人公は迷いの中にいることの
象徴だった気もしますが。

あ、マジメな話しちゃいました。

宇宙への夢が広がる
ステキな作品でした。
こういう作品、また読みたいですね。

Mirokuさん、
いつもありがとうございます!