「あつあつを召し上がれ」おいしい……気がしてきます。 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

あつあつを召し上がれ/小川 糸

おいしそう:食食食食食 /5
泣ける:かなしいねかなしいねかなしいね /5

小川糸さんの
「あつあつを召し上がれ」を読みました。


『バーバのかき氷』
 ママはバーバは子供に戻ったんだから「はなちゃん」と呼べという。
 バーバの様子がおかしくなって、ホームへ入るようになってから
 バーバはほとんど食事を受け付けなくなった。

『親父のぶたばら飯』
 中華街で一番汚い店だと恋人に案内された所は、その言葉以上に
 すごい店だった。恋人は子どもの頃から来ていたようで、店員とも
 気安く話し、素早く注文を決める。

『さよなら松茸』
 別れることになった山下と以前約束していた松茸のおいしい宿に
 予定通り行くことになった。それが最後の旅行となるのだ。
 それは私の40の誕生日のことだった。 

『こーちゃんのおみそ汁』
 呼春という名前をつけたのは母だったそうだ。母はもうこの世には
 いない。余命をすり減らすように呼春に料理の訓練をしたのは、
 残された父と私のためだったのだ。
 
『いとしのハートコロリット』
 ショー造さん、でかけましょう。
 二人の記念日にお気に入りのパーラーへ出かけることにする。
 しかし当時とは勝手が違うことがたくさん起こり……。

『ポルクの晩餐』
 ポルクは豚で男で俺の恋人だ。別宅には妻も子どももいるが、
 考え抜いた末、ポルクとパリで心中することに決めた。
 パリに降り立ち、歴史ある5つ星レストランで食事をする。

『季節はずれのきりたんぽ』
 新婚旅行でハワイにいるときに父は倒れ、亡くなった。
 父の四十九日をやる際に母と一緒に食事をすることになり、
 母と一緒に父の大好物であったきりたんぽ鍋をつくったが――。



おいしいものいっぱいの
短編集でした。

食べているシーンが印象的で
ちょっと泣けちゃう短編集です。

1つ1つのお話が短いので
サクサク読めちゃいますよ。

もうちょっと読みたかったなぁと
思わせてくれる分量ですね。

お料理でいうなら
懐石料理?
懐がちょっぴり温かくなる
シンプルなお話たちです。

どれもおいしそうですが、
2つ目のぶたばら飯、
お肉が苦手な私でも
これはおいしそう……って
思いました。

汚い中華料理屋さんで
絶品料理が出てくるって
現実にもよくある展開ですよね。
リアリティがあります。
ものすごくお腹すきました。

小川糸さんの作品は
もっと読みたいですね。

文章がおいしい……。