「春から夏、やがて冬」絶望的……。 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

春から夏、やがて冬/歌野 晶午


のめり込み:24242424 /5
びっくり:3333 /5


歌野晶午さんの
「春から夏、やがて冬」を
読みました。


スーパーの保安責任者である平田は
万引き犯の女の免許証を見て
手を止めた。

昭和60年生まれ。
娘と同じ年だった。

その後、女は平田に何度か
話しかけてきた。



スーパーの保安員と
何だか不幸そうな女性のお話でした。

どこからネタばれなのか
分からないので軽はずみなことが
書けないですね。

徐々にいろんな背景が
明らかになってくるタイプの
お話です。

序盤から平田の暗い雰囲気で
何かあるぞって臭いがぷんぷんします。
その絶望的な事情が小出しにされるので、
のめり込んで読めちゃうんですよ。

他の方の感想にも書いてありましたが、
帯でラストにすごい衝撃があるかのように
あおっている文章があっても
それは忘れて読んだ方が
楽しめると思います。

どんでん返しの衝撃よりも
何だか切なく絶望的な雰囲気に
この物語の魅力があるかと思いました。

やるせないですね。
落ち込んでるときには
読まない方がいい種類の作品でしたよ。
面白かったですが、
何だか暗い気分になっちゃいますね。