- 金色の獣、彼方に向かう/恒川 光太郎
不思議:/5
怖い:/5
恒川光太郎さんの
「金色の獣、彼方に向かう」を読みました。
『異神千夜』
遼慶はもとは鎌倉で僧をしていたが、還俗し人里離れた草庵で
暮らしていた。ある日、泉にいた男を招いてお茶を飲んでいた。彼は
彼の不思議で長い半生を遼慶に語って聞かせた。
『風天孔参り』
樹海のすぐ近くでレストラン&宿を経営していた。ある日、どことなく暗い
雰囲気の団体客がやってきて、立ち去った。しかしすぐにその中の一人の
若い女性が戻ってきて、宿に連泊したいと言い出した。奇妙だった。
『森の神、夢に還る』
「ナツコへ」――手紙の主は稲光山のふもとの森に住む不思議な
存在だった。彼女を見つけてその体にのりうつり、見てきた世界のこと、
自分のことを記す。
『金色の獣、彼方に向かう』
大樹は小さな蛇を見つけてそれで遊んでいた。しかし年上らしい少女に
その蛇は殺さないと復讐されると脅されてしまう。蛇にえさを与えようと虫を
探し始めた大樹は大人しい金色の動物を見つけた。
以前読んだ「夜市」が気に入って
追いかけている作家さん
恒川氏の短編集です。
ちょっぴり不気味で
不思議な短編が4編収録されています。
どの話も明確に
リンクしているわけではないようですが、
「鼬」や「金色の獣」など似たようなキーワードが出てきて、
曖昧につながりを感じさせます。
そんな感じも不思議で
おもしろいですね。
時代や舞台違っているのに
奇妙な共通点を感じるのです。
やはり恒川氏の作品は
好きかも、です。